蛇口から緑色の水、“悪夢”の始まりを告げるディストピアスリラー「ニューオーダー」予告編
2022年4月19日 11:00
第77回ベネチア国際映画祭で審査員大賞を受賞した「ニューオーダー」の予告編と場面写真が公開された。
現在の世界情勢とも重なる、広がり続ける経済格差とそれがもたらす社会秩序の崩壊。ごく普通の人間の人生がふとしたきっかけで極限状態に追い込まれる様を描くディストピアスリラー。長編デビュー作から4作品連続でカンヌ国際映画祭に正式出品され、コンペティション部門での脚本賞を含む3冠を獲得しているメキシコのミシェル・フランコ監督の最新作。第77回ベネツィア国際映画祭で審査員大賞など2冠を受賞しながらも、各国の映画祭で激しい賛否両論を巻き起こした。
予告編は、豪邸で行われる結婚パーティーの主役である幸せそうなカップルのダンスシーンから始まる。その後、何かが起こる前触れのように、水道の蛇口をひねると緑色の水が流れると、暴徒たちが豪邸への押し寄せ、パーティーは地獄絵図と化す。畳みかけるように、街中での殺戮と略奪の様子が映し出され、思わず目を逸らしたくなるような映像となっている。
夢に見た結婚パーティー。マリアンにとって、その日は人生最良の一日になるはずだった。裕福な家庭に生まれ育った彼女を祝うため豪邸に集うのは、着飾った政財界の名士たち。一方、マリアン宅からほど近い通りでは、広がり続ける貧富の格差に対する抗議運動が、今まさに暴動と化していた。その勢いは爆発的に広がり、遂にはマリアンの家にも暴徒が押し寄せてくる。華やかな宴は一転、殺戮と略奪が繰り広げられる。そして運良く難を逃れたマリアンを待ち受けていたのは、軍部による武力鎮圧と戒厳令だった。
6月4日から、渋谷シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。