「ハッチング 孵化」美しくも不穏な本編冒頭映像 完璧で幸せな家族のひとときを破壊したものとは…?
2022年4月13日 18:00

少女が見つけた謎の卵の孵化を機に起こる恐ろしい事件で、家族のおぞましい真の姿が浮き彫りになっていくさまを描いたフィンランド製ホラー「ハッチング 孵化」の、2分30秒以上の本編冒頭映像がお披露目。フィンランドで暮らす“素敵な”4人家族のひとときを、ある侵入者が破壊する美しくも不穏なシーンがおさめられている。
物語の主人公は、12歳の少女ティンヤ。完璧で幸せな家族の動画を世界へ発信することに夢中な母を喜ばせるため、全てを我慢し自分を抑えるようになった彼女は、体操の大会優勝を目指す日々を送っていた。ある夜、ティンヤは森で奇妙な卵を見つける。ティンヤが家族には内緒で、自分のベッドで温め続けた卵は、やがて大きくなり、遂には孵化する。卵から生まれた“それ”は、幸福に見える家族の仮面を剥ぎ取っていく。

胸をざわつかせる音楽とともに、本編が最初に映すのは、レオタード姿のティンヤが、リビングでストレッチをする後ろ姿。初めての体操の大会出場を控えており、その鍛え上げられた体からは、鍛練の様子が伺える。ティンヤと家族は、緑に囲まれた閑静な住宅街にある、モデルハウスのような家で暮らしている。やがて娘の様子をスマホで撮影する母が現れ、ふたりは建築家である父の部屋に向かう。
一家が集まり、「あなたもどうぞ素敵な毎日を」という母の締めの言葉で撮影が終わろうとしていたとき、外から大きな音が聞こえる。ティンヤが窓を開けると、一羽の黒い鳥がリビングに侵入し、家のなかを興奮したように飛び回る。洗練されたインテリア、美しいバラ、装飾品、笑顔の家族――完璧すぎるほどに整えられた家の、誰もが羨む幸せな家族の時間は、鳥によってあっけなく破壊され、これから始まる悪夢を予感させるようなシーンとなった。

世界の映画祭で短編作品が高い評価を受け、本作で長編デビューを果たすハンナ・ベルイホルム監督は、フィンランドでは黒い鳥は不吉な存在とされているといい、「この冒頭シーンは、これから作品のなかで描こうとする物語をギュッと濃縮したようなものにしたいと考えていた」と語る。さらに本作について、「ホラー映画を撮りたかったというわけではなく、大人のためのファンタジーとしてこの物語を描くのにホラーの手法を使った。明るく美しい環境下で起こる恐怖を表現したかった」と明かしている。
1200人のオーディションから選ばれたシーリ・ソラリンナがティンヤを演じ、初演技ながら、12歳頃の年代特有のはかなさや危うさを表現した。フィンランドで多くの作品に出演するソフィア・ヘイッキラが、娘を所有物として扱う自己中心的な母を体現。第38回サンダンス映画祭のミッドナイト部門でプレミア上映され話題を呼び、3月に本国フィンランドで公開された。
「ハッチング 孵化」は、4月15日から東京のヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国で順次公開。
(C)2021 Silva Mysterium, Hobab, Film i Vast
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