第94回アカデミー作品賞「コーダ あいのうた」上映館を300館以上に拡大
2022年3月29日 20:00

第94回アカデミー賞で作品賞、助演男優賞、脚色賞の3部門を制覇した「コーダ あいのうた」の上映館が、300館以上に拡大することが発表された。1月21日に200館規模で公開された本作は、2カ月が経ったいまもロングランヒットを続け、約140館で上映されていた。そしてアカデミー賞の受賞結果を受け、4月1日からは上映館が250館に拡大され、翌週以降、300館以上に広がる予定だという。
本作は、仏映画「エール!」(2014)をリメイクしたヒューマンドラマ。聴覚障がいを持つ家族のなかで、ひとりだけ耳の聞こえる少女が、歌うことを夢見て成長していくさまを描く。2021年4月に行われたサンダンス映画祭で、観客賞、審査員賞、監督賞、アンサンブルキャスト賞の4冠に輝き、同映画祭史上最高額の約26億円で、アップルが配給権を落札した。なお、日本における劇場配給はギャガが行っている。
その後、さまざまな映画祭で受賞を重ね、第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ、主人公の耳の聞こえない父を演じたトロイ・コッツァーが助演男優賞、シアン・ヘダー監督が脚色賞を受賞。Apple TV+によるオリジナル作品であり、動画配信系の作品で初めて作品賞を受賞したこと、コッツァーが、男性のろう者の俳優として初めて助演男優賞に輝いたことも話題となった。
海辺の町で優しい両親と兄と暮らす高校生のルビーは、家族のなかでひとりだけ耳が聞こえる。幼い頃から家族の耳となった彼女は、家業の漁業を毎日手伝っていた。新学期、合唱クラブに入部したルビーの歌の才能に気付いた顧問は、都会の名門音楽大学の受験を強く勧めるが、歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられずにいた。家業が大事だと大反対する両親に、ルビーは自分の夢よりも家族の助けを続けることを決意する。
「ゴーストランドの惨劇」で知られ、テレビシリーズ「ロック&キー」で“NEXTエマ・ワトソン”と話題をさらったエミリア・ジョーンズが、歌と手話の特訓を積み、ルビーを演じた。「シング・ストリート 未来へのうた」のフェルディア・ウォルシュ=ピーロが、ルビーが憧れるクラスメイトのマイルズを体現。コッツァーがルビーの父フランク、「愛は静けさの中に」のオスカー女優マーリー・マトリンが母ジャッキーを演じるなど、実際に耳の聞こえない俳優たちが、ルビーの家族に扮した。なおタイトルの「CODA」(コーダ)は、Children of Deaf Adults(耳の聞こえない両親に育てられた子ども)を意味すると同時に、楽曲や楽章の終わりを表し、新たな章の始まりを示す音楽記号でもある。
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