ジム・ブロードベントが「あんな幸福感は味わえない」と絶賛する監督とは? インタビュー映像公開
2022年3月9日 17:00
ロンドンのナショナル・ギャラリーで実際に起きた絵画盗難事件の知られざる真相を描く「ゴヤの名画と優しい泥棒」(公開中)から、ジム・ブロードベントのインタビュー画像が披露された。「ノッティングヒルの恋人」などで知られ、本作が長編遺作となったロジャー・ミッシェル監督について語っている。
1961年、ロンドン・ナショナル・ギャラリーからゴヤの名画「ウェリントン公爵」が盗まれた。事件の犯人は、60歳のタクシー運転手ケンプトン・バントン(ブロードベント)。テレビに社会との繋がりを求めていた時代に、孤独な高齢者の生活が少しでも楽になるよう、盗んだ絵画の身代金で公共放送(BBC)の受信料を肩代わりしようと企てたのだ。しかし、事件にはもう一つの隠された真相があった。
ブロードベントは、自身が演じたケンプトンについて「彼は複雑な男だね。仕事が長続きせず次々に職を変えている。タクシー運転手の次はパン職人だ。その一方でボツになっても戯曲を書いては送っている。かなりの楽観主義者だ」と説明。続けて「善意があって尊敬すべき人間だが、やや思慮に欠ける男だね」と述べながらも、「興味深いキャラクターだ。振り幅が大きいんだよ。コミカルな部分もあるが、大真面目なところもある。その加減が絶妙なんだ」とケンプトンの魅力を語る。
ミッシェル監督とは「ウィークエンドはパリで」でもタッグを組んでいたブロードベントは、「すばらしい監督で成すべきことを分かってる。俳優のこともちゃんと理解していて励ましてくれるんだ。それに意思を伝えるのがうまい。撮影中もいいアイデアを出してくれる。あんな幸福感はほかの監督では味わえない」と振り返り、監督の手腕を称えている。