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永瀬正敏、観客のいる客席に「込み上げてグッとくる」 台湾の映画人たちにも思い馳せる

2022年2月19日 19:00

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舞台挨拶に立った永瀬正敏ら
舞台挨拶に立った永瀬正敏ら

俳優の永瀬正敏と台湾の若手注目株・陸夏(ルシア)が共演した日台合作映画「ホテルアイリス」が2月18日、公開初日を迎えた。永瀬と共演の菜葉菜寛一郎奥原浩志監督は同19日、東京・ヒューマントラストシネマ渋谷での公開記念舞台挨拶に臨んだ。

小川洋子氏の同名小説が原作の今作は、「波(2001)」「黒四角」の奥原監督が自ら小川氏に脚本を持ち込み、4年の歳月をかけて映画化を実現させた。台湾・金門島でオールロケを敢行。謎めいた男と心に闇を抱えた女が、ふたりだけの禁断の世界に溺れていくさまを描く。

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永瀬がミステリアスなロシア文学翻訳者、映画初出演にして主演の座を射止めた陸夏が台湾人の父親が不慮の事故死を遂げた過去を持つマリを演じた。永瀬は、陸夏の対応力を「この場に立たれても不思議じゃないほど、日本語が堪能でした。日本のアニメや音楽など文化に触れることで、誰かに教わるのではなく、長い時間をかけて習得されたみたいです」と絶賛。撮影現場でもコーチから学ぶ姿勢を維持し続けていたそうで、「すごく素敵でしたね。アドリブをちょっと出した時も反応がちゃんと返ってくる。これは日本語を理解していないと難しいので、すごいなと思いましたね。初めて(の映画出演)ですから」と称えていた。

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撮影が行われたホテルは、実際に宿泊することができる民宿施設だという。ただ、ホテル周辺には飲食店などがなかったようで、「コンビニがひとつだけでしたね」(菜葉菜)、「そこに行けば必ずみんなに会えるという(笑)」と周辺事情を明かし、スタッフやキャストが仲を深めていった様子を語っていた。

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永瀬は、コロナ禍の前に撮影した当時に思いをめぐらせ「こんなことでなければ、この映画にすごい思いを込めてくれた台湾の映画人たちも一緒にここに立ちたかったのですが、それがかなわなくて非常に残念に思っています」と胸中を吐露。それでも、「映画館に皆さんが座っていただいている……という姿を見ると、本当に込み上げてグッとくるものがあります。この映画も、僕にとってはコロナ前に海外の皆さんと一緒に撮った最後の作品です。いつか、この場に誓って、色々な国の皆さんと映画を一緒に作れればと思っています」と真摯な語り口で訴えていた。

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