阿部寛、息子を演じた北村匠海を絶賛「“とんび”が鷹を生んだ」
2022年2月17日 20:56
直木賞作家・重松清のベストセラー小説を実写映画化した「とんび」の完成披露試写会が2月17日、都内で行われ、主演の阿部寛、共演する北村匠海、薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子、瀬々敬久監督が出席した。
これまで2度にわたりドラマ化された同名小説を初めて映画化し、オリジナルエピソードを交えながら、幾度途切れても必ずつながる親子の深い絆が描かれる。広島・備後市を舞台に、主人公の安男(阿部)が、妻の事故死を乗り越えながら、不器用に息子・旭(北村)を愛し育てていく。
当初はオファーに迷いもあったという阿部だが、「護られなかった者たちへ」に続く瀬々監督との再タッグに「乗りに乗っている瀬々監督となら、きっとまた(過去の映像作品とは)違った切り口で描いてくれると思った」と全幅の信頼感。瀬々監督から「また阿部さんとお仕事できてうれしいですし、映画は間違いなく面白いです。保証します」と強い手応えが示されると、「そう言ってもらえるのは、すごくうれしい。瀬々さんとやって良かった」と感無量の面持ちだった。
また、息子役で共演した北村については「まさに“とんび”が鷹を生んだ。取材の場でも、僕の言葉をさらっとまとめてくれる。本当に父親思い」と絶賛。劇中で描かれる反抗期のシーンにも触れ、「匠海くんに怒られたみたいで、一日中悲しかったし、つらかった。こんなに気持ちになるんだなと(笑)。誰もが親になった瞬間から一年生。泣いて笑って、がむしゃらに愛し育てる姿が心を打つ」と父親の表情を浮かべていた。
一方の北村は、「阿部さんの胸に飛び込む毎日。現場に阿部さんが残す熱量と愛情を肌で感じながら、全力でぶつかっていった。大きな背中を見て『父だなあ』と……」とこちらも親子の絆を実感した様子。酒場で阿部が酒を吹き出すシーンを振り返り「とても度数の高いお酒を飲んでいらして、『正気か、この人』って(笑)。役者魂を感じた」と敬意を示すと、当の阿部は「酒屋でアルコール度数が70と90のお酒を買って、ブレンドしました。時期が時期でしたから、水でやると、その後の消毒も大変で」と舞台裏を明かしていた。
舞台挨拶では、阿部が幼少期の家族写真を披露し「親父が撮ってくれました。寡黙なエンジニアで、教育はすべて母親任せでしたが、今も95歳で(元気に)いてくれる。いつもは舞台挨拶にも来てくれるんですが、こういう時期なので」と劇中同様の深い親子愛を語った。また、北村は自身の“匠海”という名前が、海釣り好きな父親によって名付けられたと話していた。
「とんび」は4月8日に公開。ゆずの書き下ろし楽曲「風信子(ヒヤシンス)」が主題歌に起用された。
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