オスカー候補ウィル・スミスの熱演が心を揺さぶる　「ドリームプラン」本編映像

スミスが演じたのは、テニス経験ゼロの父リチャード。2人の娘を世界最強のテニスプレーヤーに育てるために、独学で唯一無二の「計画書」＝ドリームプランを娘が生まれる前に作った破天荒な人物だ。

第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ、リチャードを演じたスミスが3度目となる主演男優賞、姉妹の母を演じたアーンジャニュー・エリスが助演女優賞、エンディング・テーマを歌ったビヨンセが歌曲賞のほか、編集賞、脚本賞と6部門でのノミネートとなった。

貧しい家に育ち、幼少期に十分な教育の機会を与えられなかったリチャードは、子どもへの教育には人一倍熱心だった。本編映像は、すっかり暗くなったロサンゼルス・コンプトンの練習場でビーナス（サナイヤ・シドニー）に向かって自分の生い立ちを話す場面を切り取っている。

リチャードは「幼い頃、父親と町に出掛けた。当時黒人は白人に触れてはいけなかった」と話し始め、白人にお金を渡そうとする際に誤って触れてしまったと告白する。「俺は殴られた。仲間も集まり、俺を踏みつけ、殴り続けた。見上げると人混みにいた親父がコソコソ逃げた。大人に殴られる俺を見捨てて……」と悲痛な体験を語る。

そして、ビーナスの瞳をじっと見つめながら、「俺は大した父親じゃないが、お前を守ることだけを考えてきた」と父としての覚悟を伝えると、ビーナスは目に涙を浮かべながら「いつも『お前は世界一』と言ってたよね。世界に見せつけたい。何が来ようと負けない。パパを失望させない」と決意。「失望するものか。おいで」と優しく声をかけたリチャードは、ビーナスをそっと抱きしめる。

夢の実現に向かって突き進んでいく父娘の思いが伝わるだけでなく、スミス渾身の演技が心を揺さぶる感動のシーンとなっている。

「ドリームプラン」は、2月23日から全国公開。