7回も翻訳された人気作! ケネス・ブラナーが語る、「ナイルに死す」が愛される理由
2022年2月5日 10:00

ケネス・ブラナーが名探偵ポアロを演じる「ナイル殺人事件」が、2月25日から公開される。原作は、“ミステリーの女王”アガサ・クリスティの傑作「ナイルに死す」。日本でも7回に渡って翻訳されているほど親しまれているこの原作について、監督も務めるブラナーが魅力を語った。
本作の舞台は、神秘の国エジプトのナイル川を往く豪華客船。数々の難事件を解決してきた世界一の名探偵ポアロは、豪華客船で起きる難解な密室殺人事件に挑む。
アガサ・クリスティが1937年に発表した「ナイルに死す」は日本でも親しまれ、人気漫画「名探偵コナン」の作者である青山剛昌氏も、自身の単行本コーナー「青山剛昌の名探偵図鑑」にてアガサ作品で一番おすすめの事件として紹介している。
クローズド・サークル(推理小説のジャンル、または舞台設定の一つ。外界との接触が断たれた状況を扱った作品を指す)ものの傑作の一つとして知られ、アガサも自身の最高傑作であることを自負している。
ブラナーは「アガサ・クリスティの小説の中でも最も不穏な作品でしょう。彼女は洗練さとセクシーさと魅惑的な容姿と恋愛を表向きで描いていますが、その底には物語の最初から最後までずっと、不安定で脆く、危険なものが潜んでいます。とてもパワフルに人間の欲望が描かれているのです」と、本作には時代を超越した人間の愛と嫉妬の心理を描いた人間ドラマの魅力があることを明かす。
さらに、ブラナーは映画版について「ストーリーに描かれるすべての物事が、本作ではより若くよりセクシーになっています」と、より濃厚なドラマが展開されることを示唆する。
また、「LOGAN ローガン」でアカデミー脚色賞にノミネートされた経歴を持ち、本作の脚本を手掛けたマイケル・グリーンは「私とケネスはとにかく情熱と愛というものに何度も立ち戻り、それらの感情に飛び込んでいます。そして、すべての登場人物たち一人ひとりがこの二つの感情について何らかの思いをしっかりと抱いているように描きました」と、よりキャラクターたちの心理に焦点を当てていることを証言。ただ謎が解き明かされるだけでなく、欲望にまみれた登場人物たちの物語を楽しめることで、観客は魅了され続けるのかもしれない。
「ナイル殺人事件」は2月25日から全国公開。

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