「コブラ会」シーズン4で目指したものとは? ラルフ・マッチオ、ウィリアム・ザブカらが語る
2022年1月30日 16:00
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2018年、YouTube Redのオリジナルコンテンツとして注目を集め、その後、Netflixで世界中で人気を博した「コブラ会」。ラルフ・マッチオ(ダニエル役)、ウィリアム・ザブカ(ジョニー役)、コートニー・ヘンゲラー(ダニエルの妻・アマンダ役)、バネッサ・ルビオ(カルメン役)らが、Netflix主催のQ&Aに参加し、同作の第4シーズンについて語った。(取材・文/細木信宏 Nobuhiro Hosoki)
1984年、空手大会の決勝でダニエルに負けたジョニーは酒に溺れ、惨めな生活を送っていた。そんな彼はある日、不良グループに暴行されていた少年ミゲルを助けたことから、かつて自身が所属していたコブラ会を再開させる。その一方で、カーディラーとして成功を収めていたダニエルは、師匠のミヤギの思いを受け継ぎ、自身の娘を含めた次世代に“ミヤギ道”を伝授していく。
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第3シーズンでは、かつての師匠だったコブラ会の設立者ジョン・クリースの指導に歯向かったジョニー。長年、コブラ会を敵対視していたダニエルとタッグを組み、ジョン・クリース率いるコブラ会に挑むべく、サンフェルナンド・バレーのトーナメントに臨む決意を固めたところで物語は幕を閉じた。
YouTube Redでの配信からNetflixへと移行し、エミー賞にもノミネートされた「コブラ会」。マッチオは、世界中の人々から高評価を受けていることについて「予想を遥かに超えた反応だった」と振り返る。
マッチオ「YouTube Redで番組を開始してから、一時期は脚本化したものを続行できなくなった。そこから我々はホームレスとなり、Netflixに救助され、パンデミックが起きる――という旅路だった。本当に僕の予想を超えてきたんだ。この物語がフランチャイズ化され、皆に愛されるポップカルチャーとして継続できているということは、まるで夢の中で生きているような感覚だ。もちろん、これは僕の筋書き通りなんだけどね(笑)」
すると、ザブカも「本当に素晴らしい旅路だった」と同調。「僕は18歳の時に『ベスト・キッド』に出演した。もし誰かから『30年後も、ジョニー・ローレンスを演じている』と言われたとしても、信じることができなかっただろう。本当に夢みたいなことだからね」と思いの丈を述べた。
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シーズン3は、アクション、ドラマでも高い能力が要求され、若手俳優もそれに応えた素晴らしい内容だった。マッチオとザブカは、全シーズンにプロデューサーとして関わってきた。第4シーズンでは、何を模索したのだろう。
マッチオ「この番組では『指導者』『親子関係』『障害を乗り越えて、思春期をナビゲートする』『つまづいて転んでも、立ち上がって、バランスを図る』という要素がある。全てのキャラクターが、そういった善意を基に構成されている。第4シーズンでは、ダニエル、ジョニー、コートニー、カルメンが、若者たち(=子どもたち)の人生をナビゲートすることになるんだ。そして、最も重要な局面となるサンフェルナンド・バレーでの空手トーナメントでは、狂気が現実のものとして高まっていく。視聴者は(映画「ベスト・キッド』シリーズで味わった)懐かしい感覚と、世代間のテーマを掘り下げながら回帰していくような作品を見ることになるだろう。そんななかで、ダニエルとジョニーは共存し合い、互いを殺し合わないような方法を考えていくんだ(笑)」
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では、女性陣はどう考えているのだろうか。ヘンゲラーとルビオが演じたアマンダとカルメンは、男性陣や子どもたちが行ってきたこと(喧嘩、争い)を考慮すると、サンフェルナンド・バレーで最も忍耐強い女性だと言えるだろう。
コートニー「実際、子どもたちに起きていること、彼らが怪我を負っていることを考えると、非常に恐ろしいことです。カルメンの息子ミゲルは、特にひどい怪我をしました。アマンダとカルメンは、なんとか家族の絆を強く保つ方法を見つけようと模索します。けれど、逆に事件になることを恐れて、警察に通報をせず、ある事件を引き起こしてしまったこともありました」
ルビオ「カルメンはどのような状況でも、ジョニーのことを心の底からから心配している。そして真っ直ぐな表情を保っている。そんな振る舞いをするカルメンが、私は好きなんです。カルメンはいつも本音でいて、第4シーズンではラルーソーの家族とディアズ(カルメンの家族)が一緒にいるシーンが気に入っています」
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さらに、第4シーズンでの息子ミゲルとの関係性については「ミゲルを演じたショロ・マリデュエニャは、本当に素晴らしい仕事をしてくれました。第3シーズンでは、さまざまな背景からカルメンとミゲルの親子の基盤が出来上がり、第4シーズンでは、カルメンがミゲルを自由に飛ばせて、やりたいことをやらせるんです。第4シーズンで気に入っているのは、カルメンがある大胆な選択をすること。それはミゲルを喜ばせることなんです」
第3シーズンのラスト、ダニエル率いるミヤギ道と、ジョニー率いるイーグルファングがタッグを組むことに。しかし、長年いがみ合っていた2人の関係は前途多難だ。
ザブカ「第3シーズンで、ジョニーはジョン・クリースに窒息死させられそうになり、そのピンチをダニエルに助けられた。ダニエルとジョニーは共通の敵となったクリースから『トーナメントで会おう。勝者が先生であり続けることができる」と挑戦状を突きつけられる。共通の目的と目標があるからこそ、第3シーズンでは互いにお辞儀してタッグを組む。それは、会ったばかりのカップルが『結婚しよう!』と言い合うほど無謀なことだ。ダニエルとジョニーは共通の目的と目標を持っていても、異なる空手のファイティングスタイル、異なる思考パターンを持っている。どうやってそれらを機能させるのかという点が問題となり、二律背反が生じる。でも、共に訓練をし、互いを受け入れることで楽しむこともできるんだ。だからジョニーがミヤギ道を習い、ダニエルがイーグルファングを習うことになる。そのブレンドは素晴らしいが、解決の場所、最後の到達点に至るまでの道のりには、かなりの障害があるんだ」
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「ベスト・キッド3 最後の挑戦」に登場した悪役テリー・シルバーが、第4シーズンに登場することについて「あのテリー・シルバーが『ベスト・キッド3 最後の挑戦』よりも強調されたキャラクターとして登場するんだ。テリーを演じたトーマス・イアン・グリフィスもそうだが、オリジナルの『ベスト・キッド』シリーズに出演し、新たに『コブラ会』にも参加してくれた面々は、それぞれが期待以上の演技をしてくれている。(本作の成功は)100%、彼らの演技によるものだ」と語る。
マッチオ「(クリエイター/ライターの)ジョシュ・ヒールド、ジョン・ハーウィッツ、ヘイデン・シュロスバーグらも評価すべきだ。彼らは非常に個性的で、さらに深みのある、洗練されたキャラクターを創造してくれた。もっともテリー・シルバーは、より洗練されてはいるものの、過去作と比べて“白黒はっきりしていない人物”になっている、それが(さまざまなキャラクターを描いてきた)『コブラ会』という作品を物語っていると思う。ただ、テリーはすごく背が高い。彼の向かいに立つ時は、僕は絶対クールには見えないよね……(笑)」
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「アメイジング・スパイダーマン」シリーズ、「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」のアンドリュー・ガーフィールドは、取材の場で「コブラ会」のファンを公言。それをきっかけに「コブラ会」のキャスト陣は、ガーフィールドにスペシャルなビデオを制作している。「僕らが彼にビデオを送る前から、彼は僕らの番組の“真のファン”だった。僕らはビデオを通じて、感謝の気持ちを返しただけだったが、彼の反応は素晴らしいものだった」と満足気に答えるザブカ。同シリーズのファンは一般人だけでなく、エンターテインメント業界にもファンが多いそうだ。
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