横浜流星は「近年まれに見る頑固者」 天才ギャンブラー役をめぐり中田秀夫監督と大激論
2022年1月19日 20:51
横浜流星が天才ギャンブラーを演じる「嘘喰い」のジャパンプレミアが1月19日、東京・有楽町のヒューリックホール東京で開催され、横浜をはじめ、佐野勇斗、白石麻衣、本郷奏多、櫻井海音、村上弘明、三浦翔平、メガホンをとった中田秀夫監督が登壇した。
イベント冒頭、スモークが立ち込める会場ステージのスクリーンが上がり、壇上にキャストのものらしき足がのぞいたが、実はその足はダミー。その後、暗転した場内が再びライトアップされると、客席中央にキャスト陣がサプライズ登場し、会場は大興奮に包まれた。“史上最恐”の騙し合いゲームを描いた物語にちなみ、観客に前代未聞の嘘(イカサマ)を仕掛けるド派手な幕開けとなった。
本作は、「週刊ヤングジャンプ」(集英社刊)で連載され、全49巻のシリーズ累計発行部数が880万部を突破した、迫稔雄氏の同名コミックを映画化するもの。高いIQを持ち、“嘘喰い”と呼ばれる主人公・班目貘(横浜)が、日本の政財界を支配する闇倶楽部「賭郎」に挑み、一流イカサマ師たちとデスゲームを繰り広げるさまを描く。
天才ギャンブラー・貘を演じた横浜は、実際に銀髪に染めて、ビジュアルを原作に近付けた。「貘のトレードマークである銀髪はかつらという案もあったんですが、実際に染めて、まずひとつの覚悟を持つことから始めました。天才ギャンブラーということで、ギャンブルの所作はもちろんですが、まずは内面を大事にしたいなと思いました。貘は絶対的な自信を持っている男なので、まずは自信を持つこと、そして人間らしさを意識することを大事にして、貘を生きました」と役づくりを振り返る。
横浜は中田監督と、貘というキャラクターについて大激論を交わしたという。中田監督は「台本に『貘がハーモニカを吹く』という箇所があったんですよ。でも、横浜くんに『貘の持ち物はカリカリ梅だけだ』と言い切られまして」「横浜くんは良い意味で、近年まれに見る頑固者でした」と述懐した。カリカリ梅は、貘がギャンブルでの勝利を確信したときにかじる、劇中の重要なアイテム。横浜は「原作をリスペクトするということで、カリカリ梅がいちばん大事なんじゃないかと。ここでハーモニカが入ってくると、カリカリ梅の強さがなくなってしまう。でも、監督の言っていることも分かる。この点について、けっこう話しましたよね」と、懐かしそうに語っていた。
貘と出会い、人生が一変する青年・梶隆臣役を務めた佐野は、事務所の先輩である横浜との共演について、「流星くんにクールなイメージを持たれている方が多いと思うんですが、僕はすぐに仲良くなって、仕事のこともプライベートのこともたくさん話して下さいました。僕のことをいちばん知っているかもしれないです」と自信を見せる。しかし、横浜からは「それはないんじゃない?」とつれなく返され、「それはないか(笑)」と笑顔を浮かべていた。横浜はそんな佐野に、「梶はある種のもうひとりの主人公。皆さんは梶に感情移入して(物語を)見ると思うんです。個々のキャラクターが強いなかで、勇斗は良い塩梅で梶を作ってくれた。勇斗の人懐っこさと梶のフラットさがマッチしていて、魅力的な梶になっているなと感じました」と賛辞をおくった。
白石は、闇カジノを経営し、巧妙なイカサマを繰り出すオーナー・鞍馬蘭子役で、これまでになかった役どころに挑戦。「見た目のインパクトがいちばん大きいかなと思ったので、衣装もヘアスタイルも派手な感じにしています。ヘアもほとんど地毛で作らせてもらったので、私もどんどん蘭子に変わっていく自分を見て、楽しませてもらいました」とニッコリ。「蘭子の(ドスのきいた)声色は、気を抜くと普段の私に戻ってしまうので、中田監督に何回も『いつもの白石さんが出てるから』と言って頂きました」と、苦労した点も明かした。
この日は、本作で映画初出演を果たした櫻井が、映画イベントに初登壇。劇中では「賭郎」で頂点に君臨し、“お屋形様”と呼ばれる謎の男・切間創一に扮した。サプライズ登場した際も「足が震えていた」という櫻井は、「ミステリアスな感じ、『何なんだこいつ』という感じを存分に出さなければと思い、演じていました。貘と対峙するシーンは、流星さんの圧がすごくて、『これに負けたら、お屋形様は務まらない』という気持ちで、何とかこっちも食らいついて、必死にやらせて頂きました」と明かす。横浜が「本当に良い表情をされていました。お屋形様としてそこにいてくれて、その存在を超えようという気持ちにさせてくれたので、素晴らしかったです」と絶賛すると、櫻井は嬉しそうに「ありがとうございます」と感謝していた。
「嘘喰い」は、2月11日に全国で公開される。
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