【アジア映画コラム】「いとみち」に見たローカルの中のグローバル 作品に欠かせない“音”としての方言
2022年1月16日 19:00
![「いとみち」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/aefc62dcdc6b9e3c/640.jpg?1642059363)
近年のアジア映画界では、ローカル発の作品が熱いんです。
これまで同コラムでも、中国チベット出身のペマツェテン監督(第28回)について紹介し、台湾映画のローカル化(第34回)に関しても言及させていただきました。最近の話題でいえば、ヒマラヤ山脈標高4800メートルに位置する実在の村「ルナナ」を舞台にした「ブータン 山の教室」(パオ・チョニン・ドルジ監督)が、第94回アカデミー国際長編映画賞のショートリストに残ったんです。
第31回で取り上げた「大阪アジアン映画祭」特集の文中では、当時グランプリ&観客賞を受賞した「いとみち」(横浜聡子監督)を具体例に挙げ、日本映画界における「ローカル文化の世界進出の可能性」について触れています。
![画像2](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/605c4fa51563693d/640.jpg?1642059372)
「いとみち」は、1月7日にBlu-ray&DVDが発売されたばかり。そこで今回は、第16回大阪アジアン映画祭で実施した横浜監督の取材内容とともに、私自身が感じる“日本国内のローカル”の魅力についても語ってみたいと思います。
「いとみち」は、2021年の日本映画界を代表する1本と言えるでしょう。横浜監督の素晴らしい演出によって、いわゆる「ご当地映画」とはならず、津軽文化と青春物語が見事に融合した傑作となりました。成長、青春、シスターフッド等々、さまざまな要素が入っている「いとみち」ですが、個人的に最も興味を抱いたのが「津軽弁」でした。
2009年、来日から2年が経った頃、私は「ウルトラミラクルラブストーリー」を劇場で鑑賞しました。当時の衝撃は、いまだに忘れることができません。その頃は、ようやく自分が使う日本語に自信をつけてきたタイミング。「ウルトラミラクルラブストーリー」の津軽弁を聞いた後の“絶望感”は凄まじいものでした(笑)。
ただ、不思議なことに「ウルトラミラクルラブストーリー」が描いた内容は、たとえ言葉がわからなくても、理解できるものでした。むしろ津軽弁、津軽の文化に興味を持つきっかけにもなり、現在でも定期的に青森へ旅行しています。
「いとみち」の鑑賞中、再びあの“なまり”を耳にしていると、なぜか感動してしまいました。横浜監督には「方言」についても、お話を伺っています。
「津軽弁は、意味というよりも音。音楽のような受け取り方で楽しんでほしいと思います。字幕を付けてしまうと、人は意味を知りたくて“字”を見てしまいます。通常の映画であれば、絵や音声を体験すれば、作品を楽しめます。でも、文字に集中してしまえば、何かの底が割れてしまう。だから(『いとみち』では)字幕を付けたくないです」
![画像3](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/996e31e505c5073d/640.jpg?1642059388)
国際向けの大阪アジアン映画祭では、英語字幕を付けるというルールがあります。そのため、大阪アジアン映画祭で上映された「いとみち」は英語字幕付きのバージョン。難解すぎる津軽弁の内容を理解したいがため、多くの観客が“英語字幕を見てしまう”という事態になっていました。
これは日本の観客にとっても、非常に特別な体験になったことでしょう。方言を使用する映画を、日本語がわからない外国人が見る場合、どうしても字幕は必要です。「いとみち」の場合は、方言を使用していることを示すため、英語字幕も“なまって”表記するという手法を試みていました。
横浜監督が追求した津軽弁の音――。中国の新鋭監督たちも、同様の意識を持っているようです。ビー・ガン監督(「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」)、グー・シャオガン監督(「春江水暖 しゅんこうすいだん」)も、インタビューをした際に「“音”としての方言は、作品に欠かせない存在」と語っていましたから。
![「ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/5735d8dbd428d53c/640.jpg?1642059398)
![「春江水暖 しゅんこうすいだん」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/3518877e18ad0ada/640.jpg?1642059408)
とはいえ、日本映画には、方言を使用する作品が少ないと感じています。横浜監督もこんなことを仰っていました。
「今の若い人はどんどん標準語に近い言葉を話していますね。だからこそ『方言を残したい』と考え、『いとみち』のような映画を作っています。もしかしたら、あと50~60年ぐらいで津軽弁が話せる人がいなくなるかもしれません」
中国も地方から大都市に“上京”する人が数多くいます。若い人は方言を話せない人もいますが、日本よりは方言を使っている印象を受けます。方言というものは、ある意味「ご当地文化」にとって不可欠なものです。方言を話す人が少なくなるということは、ひとつの文化が消滅へと向かっていると考えられるでしょう。
では、どのように「ご当地文化」の魅力を残していけばよいのでしょう。観光プロモーション的なご当地映画を作ること? それは違うと思います。キーとなるのは「ローカルの中のグローバル」。つまり、ローカル文化の中に存在する普遍性を発信していくということです。
![「羊飼いと風船」](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/61cc0c8bbdee5b86/640.jpg?1642059443)
世界中の映画祭で絶賛されたペマツェテン監督の作品は、チベットを舞台にした作品がほとんどです。しかし、内容、テーマは、チベット以外の地域に住んでいる人々にも共感を抱かせるもの。例えば「羊飼いと風船」。この作品は、大草原に生きる羊飼いの家族に焦点を当てています。チベット文化における輪廻転生などの要素も入っていますが、大元のテーマは「女性」「信仰と道徳」「近代化・文明との衝突」。これってグローバルなテーマですよね。
「いとみち」に関しても、「思春期の少女の成長」「社会のリアル」「親子関係」など共感しやすい要素が織り込まれているため、多くの観客に愛されています。しかしながら、このような日本映画はまだまだ少ないのです。特に、今の日本、そしてその文化は、世界から非常に注目されています。コロナ禍以前、多くの外国人が日本各地を訪れ“ジャパン”の魅力を体験していました。他の領域に比べると、日本の映画界の視野はやや狭いと言えるでしょう。
![画像7](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/bfb47bb9e5f871a6/640.jpg?1642059420)
「ローカル(地域)とグローバル(世界)。作り手と地域の人々、そして鑑賞者といった異なる視点が交差し、ふれあい、交換される場を生み出すことで、新たな地域性の考察、魅力の再発見につながることを目指します」
これは、2020年にオープンした「弘前れんが倉庫美術館」に掲出された標語です。私は、昨年の4月「りんご宇宙」というプログラムを見学しました。青森を代表するりんごを切り口として、現代アーティストが才能を発揮し、多彩な作品群を発表していました。食べ物としてのりんごだけでなく、文化、哲学、科学など、さまざまな角度で発想し、クリエイトすることで可能性が広がっていました。
![画像8](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/8b98138948ed3499/640.jpg?1642059459)
![画像9](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/0794b7764e64074a/640.jpg?1642059470)
![画像10](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/2d5a0e1b9f79f9a3/640.jpg?1642059478)
![画像11](https://eiga.k-img.com/images/buzz/94376/70dbd403a26e088e/640.jpg?1642059504)
コロナ以前、世界中の人々が日本の現代アートを堪能するために、各地に集まっていました。なぜ海外の人々は、日本の田舎に足を運ぶのか――それは、その地域にしかない魅力を求めていたからだと思います。
私は旅行が大好きで、既に47都道府県全てを巡っています。日本の地方には、本当に魅力的なところが多い。昔の日本映画界は、各地でロケを行い、その地域の特徴、文化、雰囲気を引き出すことに成功し、非常に面白い作品を世に送り出しています。私は「いとみち」のような作品が、もっと生み出されてもいいのではないかと考えています。世界が日本の文化に熱中しているんです。そのことを考えれば、新たな可能性を十分見出せると思っています。
(C)2021「いとみち」製作委員会
関連ニュース
![駒井蓮と豊川悦司が父娘 津軽三味線を弾く女子高生がメイドカフェでバイト「いとみち」新ビジュアル&予告公開](https://eiga.k-img.com/images/buzz/89085/6c8e9eb82073947f.jpg?1616654748)
![横浜聡子監督、津軽弁少女の青春を描く「いとみち」を映画化 駒井蓮&豊川悦司が共演](https://eiga.k-img.com/images/buzz/85521/f52d2a974b75e8a8.jpg?1596881106)
![【アジア映画コラム】釜山、平遥、東京――アジアの映画祭を巡る! “withコロナ”開催で出合った注目作を紹介](https://eiga.k-img.com/images/buzz/93702/88f32ede1d2a1f2e.jpg?1638760430)
![【アジア映画コラム】エドモンド・ヨウとは何者なのか? 小松菜奈×宮沢氷魚「ムーンライト・シャドウ」から紐解く実像](https://eiga.k-img.com/images/buzz/92721/f1c35dc704a44b13.jpg?1634528725)
![【アジア映画コラム】中国における映画情報の発信について “SNS世代”へのアプローチに求められるものとは?](https://eiga.k-img.com/images/buzz/92014/9c734dc53c9ac548.jpg?1631071679)
![池松壮亮&仲野太賀&渡辺大知のとびきりの笑顔! 「仮設と呼ばれた、オレらのホーム」を描く「季節のない街」ポスター](https://eiga.k-img.com/images/buzz/104168/9780423bf75a9e62.jpg?1687933453)
映画.com注目特集をチェック
![インサイド・ヘッド2の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5231/02c5b399d7b88657.jpg?1721360637)
インサイド・ヘッド2 NEW
【世界でとんでもない異次元ヒット】大人がめちゃめちゃ泣いてるらしい→実際に鑑賞してきた
提供:ディズニー
![逃走中 THE MOVIEの注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5230/8b4e3b750a862a11.jpg?1721360532)
逃走中 THE MOVIE NEW
【家族でお出かけのプロが紹介する注目レジャー】酷暑のなか、涼しい映画館で「逃走中」はいかが?
提供:東映
![お隣さんはヒトラー?の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5229/ca374dafc96994b0.jpg?1721360461)
お隣さんはヒトラー? NEW
【設定が秀逸】隣に、ヒトラー激似の人が引っ越してきた。もしかして…本物…?
提供:STAR CHANNEL MOVIES
![デッドプール&ウルヴァリンの注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5227/3410123709ffd2b7.jpg?1721962303)
デッドプール&ウルヴァリン
【壮絶なまでの絶賛を受ける超話題作】世界が大熱狂中の“イカれた面白さの強刺激作”!
提供:ディズニー
![現在、全米第1位&爆ヒット中の映画がコレ!の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5226/4df56d2001cd08e4.jpg?1721824260)
現在、全米第1位&爆ヒット中の映画がコレ!
富士山よりデカく新幹線より速い“怪物” VS 生身の人類 勝つのはどっちだ――?
提供:ワーナー・ブラザース映画
![映画館が最安500円になる“超・神サービス”の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5225/c0bd0824715dad52.jpg?1721657673)
映画館が最安500円になる“超・神サービス”
知らないと損なオススメ情報、こっそり教えます
提供:KDDI
![あのコはだぁれ?の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5224/97b92cdba7ec4fab.jpg?1721697887)
あのコはだぁれ?
【映画.com激推しホラー邦画みいつけた】あのコに見つかったら殺される…映画館で極上絶叫体験
提供:松竹
![劇場版モノノ怪 唐傘の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5223/8d3293fc7d977b18.jpg?1721360174)
劇場版モノノ怪 唐傘
【記憶を消してまた観たい】エグ…面白すぎでしょ…知識ゼロで観たら沼から這い上がれなくなった
提供:ツインエンジン
![ディズニー好きは「泣かないの無理」の注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5217/6dee748d69eb04ab.jpg?1721657696)
ディズニー好きは「泣かないの無理」
【この2人は誰?】ハートの女王やシンデレラの娘! 2人がタイムスリップ→若き日の親に会う物語
提供:ディズニー
![フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーンの注目特集](https://eiga.k-img.com/images/top_news/5215/492735801a598a2f.jpg?1721360071)
フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
【映画.com編集長も激ハマり】「とても楽しい映画」 世界最速!?で登場したアカデミー賞有力候補作
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
![ナイトサイレン 呪縛](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/656/2d1e278e451a7696.jpg?1720601295)
チェコスロバキア出身の新鋭テレザ・ヌボトバ監督が、20年前に少女失踪事件が起きた村を舞台に、現代の魔女狩りを描いたホラー。 人里離れた村で暮らす姉妹シャロータとタマラは、母親の虐待から逃れるため入り込んだ森の中で、恐ろしい事故に遭ってしまう。20年後、消息を絶っていたシャロータは、ある出来事をきっかけに村に帰ってくるが、彼女を受け入れる者はいない。夏至祭が近づくなか、過去のトラウマと対峙するシャロータに対して村人たちは疑念を募らせていき、やがて彼女を魔女と疑って迫害するようになる。 「プリンセス:ルーパー」のナタリア・ジェルマーニが主演を務め、「アウシュヴィッツ・レポート」のノエル・ツツォルが共演。2022年・第75回ロカルノ国際映画祭で最高賞にあたる金豹賞、シッチェス映画祭2022で最優秀長編ヨーロッパ映画賞を受賞した。
![ある閉ざされた雪の山荘で](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/628/84a1022236d233b4.jpg?1717660227)
人気作家・東野圭吾が1992年に発表した同名ベストセラー小説を、「禁じられた遊び」の重岡大毅主演で映画化したサスペンスミステリー。 劇団に所属する7人の役者のもとに、新作舞台の主演の座を争う最終オーディションへの招待状が届く。オーディションは4日間の合宿で行われ、参加者たちは「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで起こる連続殺人事件のシナリオを演じることに。しかし出口のない密室で1人また1人と参加者が消えていき、彼らは互いに疑心暗鬼に陥っていく。 オーディション参加者の中で1人だけ別の劇団に所属する久我和幸を重岡が熱演し、中条あやみ、岡山天音、西野七瀬、堀田真由、戸塚純貴、森川葵、間宮祥太朗が同じ劇団に所属する個性豊かな役者たちを演じる。監督は「荒川アンダーザブリッジ THE MOVIE」の飯塚健。
![ダム・マネー ウォール街を狙え!](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/623/5e793c798b336aba.jpg?1716370271)
SNSを通じて団結した個人投資家たちが金融マーケットを席巻し社会現象を巻き起こした「ゲームストップ株騒動」の実話を映画化。ベン・メズリックのノンフィクション書籍を基に「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」のクレイグ・ギレスピーが監督を務め、前代未聞の事件の内幕をユーモアたっぷりに描く。 コロナ禍の2020年、マサチューセッツ州の会社員キース・ギルは、全財産5万ドルをゲームストップ社の株に注ぎ込んでいた。アメリカ各地の実店舗でゲームソフトを販売する同社は時代遅れで倒産間近と囁かれていたが、キースは赤いハチマキにネコのTシャツ姿の「ローリング・キティ」という名で動画を配信し、同社の株が過小評価されているとネット掲示板で訴える。すると彼の主張に共感した大勢の個人投資家がゲームストップ株を買い始め、21年初頭に株価は大暴騰。同社を空売りして一儲けを狙っていた大富豪たちは大きな損失を被った。この事件は連日メディアを賑わせ、キースは一躍時の人となるが……。 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」のポール・ダノが主演を務め、ピート・デビッドソン、ビンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、セス・ローゲンが共演。
![貴公子](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/633/74bbc00a567b86e8.jpg?1717667051)
「THE WITCH 魔女」シリーズのパク・フンジョン監督が、巨額の遺産を巡って繰り広げられる攻防戦を予測不能な展開で描いた韓国ノワールアクション。 フィリピンで暮らす貧しい青年マルコは病気の母のため、地下格闘で日銭を稼いでいた。ある日、マルコはこれまで一度も会ったことのない韓国人の父が自分を捜していると聞き、韓国へ向けて旅立つ。マルコは飛行機の機内で、自らを「友達(チング)」と呼ぶ怪しい男「貴公子」と出会う。美しい顔立ちで不気味に笑う貴公子に恐怖を感じて逃げ出すマルコだったが、執拗に追われ徐々に追い詰められていく。 ドラマ「海街チャチャチャ」でブレイクしたキム・ソンホが映画初出演にして主演を務め、魅惑的かつユーモラスな貴公子を熱演。ドラマ「こんにちは?私だよ!」のカン・テジュがマルコを演じ、「君だけが知らない」のキム・ガンウ、ドラマ「ヘチ 王座への道」や映画「蒼き狼 地果て海尽きるまで」のコ・アラが共演。
![PARALLEL パラレル](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/622/dc588bf17b7aae29.jpg?1716346817)
心に傷を抱える少女と、アニメの世界へ行きたい殺人鬼が織りなす心の交流を描いた異色のスプラッターラブストーリー。 幼い頃に両親から虐待されていた舞は、自身のつらい過去と折り合いをつけることができず、親友・佳奈とただ時間を忘れて遊ぶだけの毎日を送っていた。そんなある日、舞は美少女アニメキャラクターのコスプレ姿で殺人を繰り返している殺人鬼に遭遇する。舞に興味を抱いた殺人鬼は、正体を隠して彼女に接近。舞は自身の心の傷を、殺人鬼は自分の本当の姿を隠しながらも、2人は強くひかれあっていくが……。 舞役に「いつまでも忘れないよ」の楢葉ももな。監督は、大学の卒業制作として手がけたヒーロー映画「FILAMENT」が高く評価された田中大貴。第15回田辺・弁慶映画祭のコンペティション部門に出品され、映画.com賞を受賞。2022年9月、田辺・弁慶映画祭の受賞作品を上映する「田辺・弁慶映画祭セレクション2022」で上映。2023年7月に単独で劇場公開。
![サン・セバスチャンへ、ようこそ](https://eiga.k-img.com/images/cinema/title/621/14c026733b1def70.jpg?1716346716)
ウッディ・アレン監督が、スペイン最大の国際映画祭であるサン・セバスチャン国際映画祭を舞台に、妻の浮気を疑う映画学の大学教授が体験する不思議な出来事を描いたコメディ。 ニューヨークの大学の映画学を専門とする教授で、売れない作家のモート・リフキンは、有名なフランス人監督フィリップの広報を担当している妻のスーに同行して、サン・セバスチャン映画祭にやってくる。リフキンはいつも楽しそうな妻とフィリップの浮気を疑っているが、そんな彼が街を歩くと、フェデリコ・フェリーニ監督の「8 1/2」の世界が突然目の前に現れる。さらには、夢の中でオーソン・ウェルズ監督の「市民ケーン」、ジャン=リュック・ゴダール監督の「勝手にしやがれ」の世界に自身が登場するなど、クラシック映画の世界に没入する不思議な体験が次々と巻き起こる。 アレン作品の常連俳優ウォーレス・ショーンがリフキンを演じるほか、ジーナ・ガーション、エレナ・アナヤ、ルイ・ガレルが顔をそろえる。