永瀬廉「一番気合いを入れて挑みました」と語る渾身のシーン 「真夜中乙女戦争」序章を映した4分間の本編映像
2022年1月14日 18:00

「King&Prince」の永瀬廉が主演する二宮健監督作「真夜中乙女戦争」の序章にあたる、4分間の本編映像(https://youtu.be/0VfkseIPR8A)がお披露目された。映像には、永瀬が「一番気合いを入れて挑みました」と語る長ゼリフのシーンがおさめられている。あわせて、二宮監督作に出演経験のある門脇麦、栗原類、松本穂香、映画監督の松本花奈、映画解説者の中井圭、映画・音楽ジャーナリストの宇野維正ら著名人からのコメントもお披露目された。
本作は、「チワワちゃん」「とんかつDJアゲ太郎」の二宮監督が、若年層を中心に圧倒的な支持を受ける作家・F氏が初めて手がけた同名小説(KADOKAWA刊)を映画化するもの。退屈な日々を送る大学生が、自分自身と東京を破壊するまでの夜と恋と戦争を描き出す。平凡で無気力な大学生の“私”(永瀬)は、「かくれんぼサークル」で出会った凛々しく聡明な“先輩”(池田エライザ)に惹かれながらも、人の心を一瞬で掌握する謎の男“黒服”(柄本佑)と運命的な出会いを果たす。やがて“私”の退屈な日々は一変し、「真夜中乙女戦争」という名の東京破壊計画に巻き込まれていく。
冒頭に挿入される東京タワーのカット以降の、4分間の始まりのシーンをとらえた本編映像では、“私”が生気のない眼差しで大学の講義を受けている。“私”が教授(渡辺真起子)に一方的にまくしたて、無意味な授業に抗議するシーンから始まり、“私”の身に起こっている災難が暗示され、やがて“黒服”との出会いに続いていく。
永瀬は教授への抗議シーンを、「たくさん練習して、イメトレも何度もしてきたのに、いざ実際に教授の前に立つと全然違いました」「“私”がどんな人物か観客が知る大事なシーン。セリフも長いので、一番気合いを入れて挑みました」と振り返る。また柄本は、“私”と“黒服”の出会いに触れ、「青天の霹靂じゃないですけど、あっこいつって感じるそういう存在。このふたりはどこかで繋がっている、ふたりでひとりという人物造形なんじゃないかなと思います」と明かしている。
「真夜中乙女戦争」は、1月21日に全国で公開される。著名人からのコメント(全文/五十音順)は、以下の通り。
若さゆえの焦燥感、全能感、破壊への距離の近さ 脆いほどに繊細で危うげなあのひと時の激情が あまりに美しく陳腐を超えてスタイリッシュに描かれていて もう死んでしまったかつての自分を見てちくりと胸が痛くなった。
岡崎京子ワールドを現代に蘇らせてみたり、とんかつDJでアゲてみたり、これまでムチャなことばかりしてきた二宮健監督がまたしても。2020年代東京で「ファイト・クラブ」スピリットを引き継ぐという無謀な試み。でも、恋愛パートの切なさは本物でした。最後のビリー・アイリッシュはズルい(笑)。
政治の季節もバブルの熱狂も体験できなかった世代による、世代のための架空叙事詩。世紀末にまだ子どもだった89年生まれの作家、91年生まれの監督による新約「ファイト・クラブ」。映画化されなければならなかった小説が、映画化すべき監督の手で映画になったことを幸せに思う。
“わたし”は世界が終わると言われた1999年に産まれました。同年に誕生した破壊的な怪作「ファイト・クラブ」が大好きなわたしに今一度破壊のチャンスが訪れたのです。決行の時は2022年1月21日、作戦の名は……
こんな青春映画をずっと欲していた! この高揚のために映画を見続けているのだと思う瞬間に満ち溢れた幸福な113分でした。
2020年、世界に対しての不安が生まれてしまいました。今作を見た時に己の不安や戸惑いを受け止めてくれたような気がして心境が少し変わったような気がしました。ビリー・アイリッシュの主題歌も濃い味を出しているので最後までお見逃しなく!
ルール、その1。「真夜中乙女戦争」について口にするな。これまでになく、妖しげな池田エライザ。これまでになく、不気味な柄本佑。そんな2人に挟まれ、危うさに溺れていく、これまで見たことのない永瀬廉。彼らのアンサンブルと二宮健監督のブッ飛んだセンスが、
“トーキョー・ファイトクラブ・ストーリー”を生み出した!
非現実の中に確かにある現実。恋も生きることも下手で、一見偏屈だが真っ直ぐな「私」の物語が、どうにも他人事とは思えない。美しい言葉や映像の中に、はかなさではなく静かな強さを感じました。
東京破壊という衝動のような世界とはかなげな言葉で紡がれたたおやかで詩的な世界を同時に味わった真夜中の映画時間。もし自分が退屈で色のない生活を送っていて、目の前に危うさをまとった黒服の柄本佑さんが現れたら光を求めて問答無用に手を伸ばしてしまうだろう。
カッコ悪いものなんて、死んでも映さない――。そんな熱意と衝動が、画面の端々で蠢いていた。この映画は、若者たちを刺激し、大人たちを挑発する。
池田エライザの色気は最高。そして何よりも柄本佑の役柄が作品のダークな雰囲気にとてもマッチしていた。「東京を破壊する」という一見非現実的なテーマも、彼の自然な演技により常に緊張感が張り詰めていた。原作は読んでいなかったが、ストーリーも十分に理解でき楽しめる作品だった。
真夜中とは? 乙女とは? 戦争とは? 想像をやすやすと超えてくる演技、映像、物語。 これがいまの若者、若者のいまなのか。
少しわかってしまうような人間の悪い心や行動、自分自身や世間と闘うような若い頃の繊細な気持ちなど、共感できることが多く、また現代のSNSが出てきたり、終始その世界に入り込んでしまいました。なにより素敵な役者さんばかりで目が楽しかったです。
東京破壊計画とひとつの恋…。詩的な言葉によって真夜中の妖しさに魅せられ、退屈に絶望し屈折した感情が日常、社会、人間へと反逆しぶっ壊していく。
「自分の居場所に馴染めない感」から、退屈に絶望し日常を壊したくなる…。最初は誰にでも当てはまるこの感情は徐々にエスカレートし、常に物語は奇想天外に! 一時も目が離せない作品でした! 個人的には物語だけでなく、東京タワーを映し出す美しい映像が世界観にぴったりで、夜景が好きな方にも是非見ていただきたい作品です...!
この映画は愛されるか、憎まれるか、その二択しか無い。誰よりも愛されたかったあの頃の一人きりだった僕が映画の中に居た。人は優しく寄り添われると流れる涙があるということを思い出した。爆破シーンがあるのに、世界一優しい映画でした。
昔からよく、真夜中にふと目が覚めると考えていました。いつの日か必ず、自分も皆も死んで、いなくなって、やがて無になるはずなのに、どうして孤独であることがこんなにも怖いのだろう、と。この映画を見て、やっとその答えを見つけられたような気がしています。
壊れていく世界の中で、徐々に人間味を帯びていく「私」の目が好きでした。あなたがいて、私がいる。そのことだけがどうしようもなくリアルで、美しかった。二宮さんの唯一無二の世界観。やっぱり好きです!
他力本願のモラトリアムの自覚がない。“何者”にもなれないことを受け入れているようで、どこか「自分だけは特別」だと信じて疑わない。そんな姿を遠いところから眺めて「青くてかわいいね」と思わず口に出してしまったわたしは、彼らから見れば平和ボケしたつまらない大人なのだろう。でも、わたしにも心当たりがあるんだ。だから、少しだけ心臓が痛い。もう決して戻れないあの頃が、どうしようもなく恋しい。
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