「アンネの日記」の“空想の友達”キティーが現代によみがえる カンヌ出品アニメ、22年3月11日公開
2021年12月28日 11:00

2022年に出版から75周年を迎える不朽の名作「アンネの日記」を題材にし、21年のカンヌ国際映画祭のアウト・オブ・コンペティションに出品されたアニメーション映画「Where Is Anne Frank(原題)」が、「アンネ・フランクと旅する日記」の邦題で22年3月11日に公開されることが決定。アニメ映画として初めて、第81回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、第66回ゴールデングローブ賞の最優秀外国語映画賞を受賞した「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督と製作チームが再タッグを組んだ。
第二次世界大戦下、ユダヤ人の少女アンネ・フランクが“空想の友達”キティー宛に綴った「アンネの日記」。1942年6月12日、13歳の誕生日に父オットーから贈られたチェック柄の日記帳に、ナチスから身を潜めていた隠れ家での生活や、ペーターとの初恋などを書き連ねた。47年にアウシュビッツを生き延びたオットーによって初出版後、世界中で読み継がれる作品となった。09年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録され、「世界で最も読まれた10冊」のうちの1冊に挙げられた。
不朽の名作を、アニメでしか表現しえないアプローチで新たに映像化した本作は、“空想の友達”キティーの視点でアンネの生涯をたどっていく。お披露目された予告編では、オランダ・アムステルダムの博物館のガラスケースが割れ、保管されていた「アンネの日記」に書かれた文字がくるくると浮かび上がり、アンネの“空想の友達”キティーがよみがえる。時空を飛び越えたことを知らず、いまが1944年だと思っているキティーは、親友アンネを探し、アムステルダムの街を駆けめぐる。戦時下にありながらも夢を語り、想像力を持って未来を信じ続けたアンネと、そんなアンネの「人間は“善良”な存在だ」という思いを胸に未来へ向かうキティー。ふたりの少女が力強く生きる姿に、胸打たれる映像となった。
あわせて披露されたポスタービジュアルは、過去を生きるアンネと現代をめぐるキティーをとらえたもの。「新たなページが綴られる」というコピーの通り、「アンネの日記」で紡がれることのなかった“その先”をたどるキティーの旅が描かれる。
「アンネ・フランクと旅する日記」は、22年3月11日に東京・TOHOシネマズシャンテほか全国公開。
(C)ANNE FRANK FONDS BASEL, SWITZERLAND
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