「マトリックス」最新作のアナリスト役、念願だったアクション大作「この日のためにトレーニングを積んできた」
2021年12月15日 13:00
「マトリックス」の新章「マトリックス レザレクションズ」で青い眼鏡をかけた心理カウンセラー、アナリストを演じたニール・パトリック・ハリス。オフィシャルインタビューを映画.comが入手し、撮影の模様などを紹介する。
「マトリックス」シリーズの生みの親であり、シリーズ全作品を監督しているラナ・ウォシャウスキーがメガホンをとり、ネオ役のキアヌ・リーブスをはじめ、キャリー=アン・モス、ジェイダ・ピンケット・スミス、ランベール・ウィルソン、ダニエル・バーンハードらが続投した。
アナリストは、ネオのセラピーを行い、彼に「青いピル」を処方しているという役どころ。さらに、部屋では“黒猫”を飼っているという設定だ。演じるハリスは、「ゴーン・ガール」やテレビドラマ「ママと恋に落ちるまで」で知られている。
ハリスは、ウォシャウスキー監督と本作について話した時間を振り返り、「この作品を撮ろうと思った事情を聞かせてくれたよ。ご両親を相次いで亡くしたこととか、不死鳥が灰の中から蘇り、死者が再会を果たす夢を見たこととか。興味深い話だったよ。それを聞いて“この作品は撮ることだけが目的じゃない”と感じたんだ。個人的には、この作品のユーモアが気に入っている。3部作をパロディーにしたシーンがあったり、クールな場面にも笑いのツボが隠れていたりするからね」と明かす。
本作でスタントに挑戦したが、実は念願だったそう。「僕には人生の目標を書いた長いリストがあるんだけれど、冗談抜きでほとんどの目標はクリアできたよ。リストを作ったのは16~17歳のころで、今年で47になったからね。バンジージャンプ、スカイダイビング、ラフティング、火吹き、空中ブランコも経験したし、ホッピングしながら宙返りするという大技にも挑戦。大小の映画、ホームドラマ、舞台に出演し、司会業もやらせてもらった。だけど、まだ達成していない目標の一つがアクション大作に出演することだった。(1997年に出演した)『スターシップ・トゥルーパーズ』はアクション作品だけど、壮大な銃撃戦が延々と続くだけだし、僕の出番は一瞬で終了してしまった。これじゃ、撮影に行ったというだけでアクション映画に“出演”したことにはならないと思ったんだ」。
そして本作でチャンスが巡り、事前にアスリート並みに身体を絞るなどトレーニングを積んで撮影に臨んだが、当初は2、3発殴られるだけだったそう。
「それでも諦めきれなくて『自分でスタントをやりたい』と申し出たんだ。壁に叩きつけられるスタントは結構きつくて繰り返し練習したんだけど、すっかり夢中になったよ。『もう1回やろう。次はもっと遠くから。思いきり叩きつけられたいんだ』なんて言ったりして。もうひとつはパンチを食らって宙を舞うシーン。それも自分で演じたかった。僕によく似たスタントマンが現われてワイヤーを装着しようものなら、猛抗議するつもりだったよ。なんなら免責同意書にサインするし、ケガしたってかまうもんかと思ったんだ。この日のためにトレーニングを積んできたのに、今さら人に任せるなんて考えられなかった。ありがたいことに、スタッフは僕の熱意を分かってくれたよ。最初のアップと、最後の立ち上がるところだけ演じて、あとは図体のでかいスタントマンに丸投げするような真似はしたくなかったんだ。ちなみに、うめきながら立ち上がるのは転んだときの僕の癖(笑)」
「ラナとの初対面、サンフランシスコでの脚本読みと撮影、ベルリンでの撮影再開……そのすべてが『マトリックス』な体験だった(笑)。撮影に不安はつきものだよ。30年間の俳優生活でいろんなスキルを身につけたし、自分の守備範囲も分かっている。苦もなくできることや得意な分野もね。今回の現場では、どういうわけか不安を快感に感じるようになったんだ(笑)。どういう心理が働いているのか自分でも分からないけど、それも『マトリックス』ならではの体験じゃないかな」と、本作ならではの経験に満足げだった。
「マトリックス レザレクションズ」は、12月17日から全国公開。
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