「世界に問題を警告する」トッド・ヘインズ×ティム・ロビンス 巨大企業が隠蔽した実話を描いた社会派「ダーク・ウォーターズ」を語る
2021年12月11日 08:00

環境汚染問題をめぐり、弁護士が十数年にもわたり巨大企業との闘いを繰り広げた実話を、環境保護の活動家という一面も持つマーク・ラファロの主演・プロデュース、「キャロル」のトッド・ヘインズ監督のメガホンで映画化した「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」。大規模水質汚染をめぐり、大企業デュポン社を相手に闘い続ける弁護士ロブの上司を演じたティム・ロビンスとヘインズ監督が、作品の重要性や見どころを語るインタビュー映像が公開された。
「エデンより彼方に」や「キャロル」など情感あふれるドラマ作で知られるヘインズ監督だが、この作品はまさに挑戦そのものだったという。「ずっと興味を持っていた分野だったが、ダークで説得力を持つ“世に警笛を鳴らす”物語だ。これは現実世界で起きていることだからハッピーエンドは存在しない」と強い口調で語る。

ロビンスは、自身が演じたキャラクターについて言及し「この作品に出た理由は、この物語を広めたかったからだ」と明かす。さらに、「トッドがこの映画で見せてくれたのは、スリル満点で本当に怖いドラマだ。常に緊張感がある。問題を語ろうとする時、人間的なつながりやドラマがなければ何も伝わらない」とこの映画は魅力的な娯楽作品でありながら、問題提起の役割もあると説明する。
さらに「先日、完成した映画を見て感情に圧倒されたよ。見るのは2回目だったが改めて気づいた」と感想を語り、「ロブたちが受けた重圧は相当なものだ。そして孤独感もね。彼らは人生のすべてを危険にさらしたんだ。子どもの安全すらも守れない。残念ながら、これは実話だ」と映画の中だけではない事実の重さを伝える。
最後にヘインズ監督は「政府や法律に任せきりではダメなんだよ。そして“体制”にもね。頼れるのは自分だ。みんなが力を合わせて闘いに加わり、世界に問題を警告するんだ」と、観客にに対しても真剣な面持ちで呼びかけている。「ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男」は12月17日から公開。
(C)2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.
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