「マリグナント」=脳が喜ぶ映画!? 茂木健一郎、ホラーが脳に及ぼす意外な効果を語る
2021年11月12日 18:00

「死霊館」ユニバース、「ソウ」「インシディアス」シリーズなど数々の傑作ホラーを手掛けてきたジェームズ・ワン監督の最新作「マリグナント 狂暴な悪夢」が、本日11月12日に公開を迎えた。一足先に鑑賞したファンからは「衝撃受けること間違いなし。ただのホラーじゃない!」「まったく予想外の展開で、とにかく興奮」「ホラー好きこそ観るべき!」という声があがっている。
ストーリーの巧みさ、ワン監督の手腕を称えるコメントが目立ち、“異形の展開”を含めて「作品に関してもっと言いたいけど言えない」とジレンマを抱えるファンも多い様子。そんななか、テレビ番組をはじめマスメディアでも活躍する脳科学者・茂木健一郎氏が、本作を鑑賞し、メールインタビューに応じた。
茂木氏は「ホラーのような恐怖や不安などの感情が、脳のマッサージになる」と明言。ただし、ホラーやサスペンスには、常に観るものの予想や期待を裏切る「イノベーション」がないと目的を果たせないと語る。そういった意味で、全く予想を超えた展開が仕掛けられている「「マリグナント 狂暴な悪夢」は、革新的なホラーであり“脳がよろこぶ映画”であるとも言えるだろう。
(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reservedホラーやサスペンスは、常に観るものの予想や期待を裏切る「イノベーション」がないと目的を果たせません。「マリグナント」には、極上のエンタメ映画をつくる上でのさまざまな工夫、仕掛けがあって、作り手の大きな愛を感じました。
人間とはなにか、経験の境はどこにあるのかが揺らいでいる現代において、人が人でいることの不思議さに根ざしたすぐれた映画だと思います。とりわけ、「悪夢」を巧みに視覚化することで、一体何が起きているのかと、観るものの現実感覚を揺らし、かえって身体性を確固たるものにする働きがあると感じました。映画を観ている間は不安ですが、映画を見終わると、より大きな安心につつまれるのです。
(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved本来、人間の脳は進化の過程で恐怖や不安などの感情を育んできました。その回路は文明の中で使われずに眠っています。映画館でエンタメを観るという「安全基地」の状況で、敢えて古くからある感情を経験することで、感情のローラーコースターに乗り、脳をマッサージするような効果があると思います。そのためのさまざまな仕掛けがとてもイノヴェーティヴでした。
無意識を解放してあげることが大切です。そのために、このような悪夢をテーマにした作品を観ることが効果があります。逆説的ですが、悪夢の映画を見ると悪夢が解放されて減るのです。
(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved現代の世界は、私としてはむしろ現実の方が悪夢のように感じる場合もあります。フィクションやエンタメで大いに悪夢をとりあつかうことで、脳のバランスを回復したいものです。
(C)2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
コート・スティーリング
【イカれた映画にご用心】些細なことで人生詰んだ…感情ぐっちゃぐちゃになる超オススメ作!
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
映画ラストマン FIRST LOVE
「ドラマの映画化か~」と何気なくつぶやいたら後輩から激ギレされた話「これ超面白いですから!!」
提供:松竹
年末年始は爆発・秒殺・脱獄・名作!!
【全部無料の神企画】今年もやるぞ!ストレス爆散!!劇的チェンジ!! 1年の疲れを吹き飛ばそう!!
提供:BS12
“愛と性”を語ることは“生きる”を語ること
【今年最後に観るべき邦画】なじみの娼婦、偶然出会った女子大生との情事。乾いた日常に強烈な一滴を。
提供:ハピネットファントム・スタジオ
こんなに面白かったのか――!!
【シリーズ完全初見で最新作を観たら…】「早く教えてほしかった…」「歴史を変える傑作」「号泣」
提供:ディズニー
映画を500円で観よう
【2000円が500円に】知らないとめっっっっっっっちゃ損 絶対に読んでから観に行って!
提供:KDDI
今年最大級に切なく、驚き、涙が流れた――
双子の弟が亡くなった。僕は、弟の恋人のために“弟のフリ”をした。
提供:アスミック・エース
ズートピア2
【最速レビュー】「前作こえた面白さ」「ご褒美みたいな映画」「最高の続編」「全員みて」
提供:ディズニー