なすしおばら映画祭が長編映画を製作!「川のながれに」に個性派&実力派が結集
2021年11月12日 18:00
栃木県那須塩原市で2019年に立ち上がった「なすしおばら映画祭」が11月27、28日に、フォーラム那須塩原で開催される(オンラインと同時開催)。俳優の川岡大次郎(「サマータイムマシン・ブルース」「UDON」など)が総合プロデューサーを務める同映画祭では、初めて長編映画を製作。杉山嘉一監督を迎えて「川のながれに」を10月下旬に同所で撮影し、今年の映画祭でクロージング作品としてプレミア上映する。
昨年、「第1回なすしおばら映画祭」が開催される予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により中止を余儀なくされた。それでも、「子どもから大人まで全ての人を笑顔にしたい!」という思いを胸に、「なすしおばら映画祭オンライン」を開催。その際、映画祭の核となる企画として、同所でしか撮れない映画祭用の短編映画「クランクイン塩原ン」(筧昌也監督)を製作した実績がある。
「川のながれに」は、「仮面ライダーエグゼイド」で花家大我/仮面ライダースナイプを演じた松本享恭が主人公の君島賢司を演じている。那須塩原に流れる箒川でSUP(スタンドアップパドル)のアウトドアガイドをしているという役どころ。最愛の母を亡くしたことで改めて自らと向き合う賢司が、周囲の人々との関わりを通じて人生を見つめ直そうとしているとき、死んだと聞かされていた父が目の前に現れ、事態はさらに深刻に……。松本のほか前田亜季、小柴カリン、大原梓、松本健太らが出演しているほか、青木崇高(友情出演)と音尾琢真(特別出演)も作品に彩を添えている。
また今作には、主人公の賢司を取り巻く女性が3人登場する。前田は賢司に「自分らしく生きる」ことを説く年上のイラストレーター・音葉、小柴は賢司の元恋人でヨリを戻そうと地元に戻ってきた碧海、大原は幼少期から賢司を慕い実家の温泉宿の入り婿にと猛アタック中の日菜実に扮している。
主演の松本は、「那須塩原に滞在して撮影させていただいたわけですが、演じるという感覚があまりなくて、共演の方々と街の空気を感じていただけ……という気がしています。今までになかったことで、役者としても色々な気づきがありました。個人的にも色々なことを感じることが出来た日々で、こういう経験が出来て良かったと思います」と語り、実り多き撮影となったようだ。
また、青木と音尾という経験豊富な実力派との共演は、松本に大きな刺激を与えたことは想像に難くない。「青木さんとは1シーンだけご一緒させていただいたのですが、オーラというか、まとっている圧というか、対峙した時に男としての強さを一瞬で感じさせられました」「音尾さんは(自身が演じる)賢司の父親役。台本を読んで作って臨んだのですが、自分のちっぽけなプランを打ち砕かれたというか、変えてもらいました。音尾さんの芝居を受けた時の賢司が、全然違ったんです。本当にすごい体験をさせてもらいました。青木さんも音尾さんも、素晴らしく優しい方々でした」。
青木と音尾は、今映画祭をプロデュースする川岡とはNHK大河ドラマ「龍馬伝」での共演を契機に、友情を育んできた。
青木は、「気が付けば40代に突入し、新人の気分でいたいけれど若い子たちも入ってきて、現場をちょっとは知る身としては、よりスムーズに、より無駄がなく良い画が撮れるようにサポートする立場にならざるを得なくなってしまった。そこにどこかしら喜びを見出している自分もいるし、同世代の大ちゃん(川岡)が映画をプロデュースするってすごいよ。自分が協力できることがあるならば……という気持ちだったし、僕自身も演じるだけじゃなくて、製作という部分にも携わって業界を盛り上げていきたいという思いもある。こういう形で会うのも面白いし、那須塩原という街が映画祭を通じてどう盛り上がっていくのかというのにも興味があります」と熱い思いを吐露する。
作品に関しても、「ひとりの男性の人生を切り取っているのですが、普遍的で誰にでも共感するポイントがある話。出会いや別れを大きく包み込んでくれる大自然、それに対する郷土愛が詰まっています。コロナ禍があったからこそ、人を、土地を思うというのが今までよりも深く染み入る作品になっているんじゃないかなと思っています」と語っている。
一方の音尾は、「プロデューサーの川岡大次郎さんとは以前共演して以来、サーフィンをする仲でございまして。最近は会えていなかったんだけど、那須塩原の方で色々な貢献をしていると聞いていました。そんな川岡さんが作る映画に出てくれるというのであれば、喜んで出たいなと思いました。短いスケジュールではありましたが、それでも快く応じてくれて、土地の皆さんの映画作りにかける意気込みもひしひしと感じましたので、全身全霊でやらせて頂きました」と撮影を振り返る。
そして、「那須塩原にも素敵な川が流れていますが、川の流れはきっとそれぞれに違う流れを持っていて、私たちがそれぞれ違うように、違う流れがある。だけど交わったり、離れたりしていくということが映画の題材になっているんじゃないかと思います。皆さんも、大自然に身を任せるように、この映画を観に来ていただけたらなと思います」とアピールも忘れなかった。
「なすしおばら映画祭」は11月27、28日、フォーラム那須塩原で開催。
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