【独占取材】内田英治監督が明かす、松本まりかのストロングポイントとキャスティング秘話
2021年10月12日 08:00
内田英治監督、松本まりか主演の「雨に叫べば」が、12月16日からAmazon Prime Videoで独占配信されることが発表された。映画.comでは撮影が佳境に差し掛かった5月中旬、都内の撮影所で内田監督の取材を敢行した。
今作は、東映と東映ビデオによる新たな映画フォーマットオリジナル配信作品として製作されたもの。男尊女卑やパワハラの匂いが残る1988年の映画の撮影現場で、新人監督の花子がベテランスタッフやプロデューサー、俳優たちに振り回され、悪戦苦闘する姿を描いており、いわば内田監督版「蒲田行進曲」といえる。
内田:そうですね、絶対的に僕自身の経験、思いが詰まった作品です。脚本そのものは結構前に書いていて、5年ほど前に「下衆の愛」を公開したのですが、その1年後くらいにやれたらなと考えていたんですよ。当初は内容も少し違っていて、男性監督で内幕ものという想定でした。
内田:世間では、あざと可愛いとか言われていますが、それと真逆の力強い芝居が出来るところでしょうか。テレビだと可愛い役だったり、気持ち悪いストーカーみたいな役が多いように感じるのですが、実は正統派の力強い芝居の出来る役者なんですよ。なので、主人公を女性に置き換えた段階で、ピンときた感じです。
「雨に叫べば」は、新人監督・花子の意味不明なこだわりでテイクを重ねることに、ベテランスタッフたちがフラストレーションを爆発させるところから始まる。控室では前貼りを嫌がるアイドル俳優と、「前貼りなんかいらないわ。本番でいきましょう」と言い放つ落ち目のベテラン女優のあいだでトラブル勃発。ようやく撮り終えた渾身のシーンも映検(レイティングを判断する機関)の審査に引っかかり欠番にしてしまうなど、花子は次第に追い込まれていく。そして現場の混乱ぶりを聞きつけたプロデューサーから監督交代を告げられてしまう。果たして花子は思い描いてきた理想の映画を完成させることが出来るのか……。
内田:山田佳奈監督の「タイトル、拒絶」をプロデュースさせてもらった時に、恒松祐里とのシーンなど、彼女の芝居がすごく良かったんです。その時のことを思い出して、今回参加してもらいました。いつか一緒にやりたいなとは思っていたんですけど、やはりめちゃめちゃ良いですね。もはや、いるだけで良い感じです、あの人は。存在感もありますから。
内田:渋川さんは「下衆の愛」で映画監督志望のテツオを演じているので、あのテツオが大人になって、魂を売ってちょっと偉い人になっちゃった……というイメージです。内田慈も出ていますし、「下衆の愛」のその後、みたいな世界観も含んでいるんですよ。高橋さんの役は誰かをイメージして書いたわけではないです。ただ、東映の会長だった岡田裕介さんと亡くなる1カ月ほど前にお会いしたんです。岡田会長とは全く違いますが、常にスーツを着ている往年のプロデューサーの延長線上にあるキャラクターと言えるかもしれません。
内田:そうですね、「ミッドナイトスワン」とか「全裸監督」とかに出てくれています。今回はオーディションを勝ち抜いてきたんですが、プロデューサーの猛烈な後押しがあってビックリしました。もともと芝居は上手なんですが、この役が大山さんに決まるとは正直思っていなかったです。本当に、僕が一番ビックリしましたよ(笑)。
内田:「全裸監督」も内幕ものになると思うんですが、あまり世間の方々が知らない世界だからこそ面白いですよね。僕は、映画は小説、ドラマは雑誌だと思っています。88年の話ではありますが、女性が男性社会でめちゃめちゃ頑張るというものを、配信だったら面白くやれるんじゃないかと思ったんです。配信ドラマって、決まってからのスタートダッシュが早いので、雑誌だなと。映画は、時代性とか関係なく普遍的なものをやりたい。それは、作家と一緒かもしれませんね。雑誌とかで連載して、最終的に単行本として発売するという。僕は、映画の世界でそれをやりたいんです。
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