演技経験のない8歳が主演 仏鬼才が型破りなジャンヌ・ダルクを描く2部作、12月11日公開
2021年9月29日 19:00

現代フランス映画界の鬼才ブリュノ・デュモンによるジャンヌ・ダルク二部作「Jeannete, the Childhood of Joan of Arc(英題)」の邦題が「ジャネット」に、「Joan of Arc(英題)」が「ジャンヌ」に決定し、12月11日公開される。
カトリックの聖女、あるいは魔女、神の恩寵を受け祖国を救う愛国的英雄、民衆を鼓舞する革命の偶像、異端審問の末に火炙りにされた男装の女騎士、フランス国民劇の受難のヒロイン――など、様々な顔を持ち、疫病と戦争の最中にあった15世紀初頭のフランスに実在した少女ジャンヌ・ダルク。芸術と娯楽の様々な領域で幾度も題材とされ、数々の映画も作られている。その最新の変奏が、演技経験のない8歳の少女を起用した本作だ。
原作は、シャルル・ペギーの劇作「ジャンヌ・ダルク」(1897)と「ジャンヌ・ダルクの愛の秘義」(1910)。ペギーは、ジル・ドゥルーズ、ヴァルター・ベンヤミン、ジャン=リュック・ゴダール、そして須賀敦子らを魅了したカトリックの詩人・思想家であり、ジャンヌ・ダルクがイギリス軍から解放した都市オルレアンの出身。デュモン監督は、ペギーの詩劇を、「ジャネット」でジャンヌ・ダルクの幼年時代を描く、破壊的な歴史音楽劇として、「ジャンヌ」で救国の戦いから異端審問、そして刑の執行という心理活劇という型破りな演出・手法によって、二つの映画作品に仕上げた。

両作品でジャンヌ・ダルクを演じたのは、ロケ地周辺で出会ったリーズ・ルプラ・プリュドム。「ジャネット」撮影時はわずが8歳で、幼い頃の無垢なジャンヌを歌や踊りを駆使し見事に体現し、「ジャンヌ」では、まっすぐな眼差しと力強い言葉で、「雄弁な」男たちを喝破していく姿を見せた。
「ジャネット」は、カルト映画の巨匠でシネフィルとしても知られるジョン・ウォーターズ監督は2018年のベスト1に、仏の映画誌カイエ・デュ・シネマは「この小さな傑作によって彼の映画は決定的に解き放たれた!」と評し、2017年のベスト2に選出。日本ではカイエ・デュ・シネマ週間で「ジャネット、ジャンヌ・ダルクの幼年期」のタイトルで上映され話題を呼んだ。続く「ジャンヌ」も、ジョン・ウォーターズは2019年のベスト2に、カイエ・デュ・シネマで2019年のベスト5に選出された。12月11日より、ユーロスペースにて公開。
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