横浜流星が大粒の涙を流す 「DIVOC-12」藤井道人監督チームの予告編が公開 テーマは“成長への気づき”
2021年9月10日 12:00
12人の映画監督が12本の短編を製作する「DIVOC-12」(読み:ディボック-トゥエルブ)の新たな映像が公開された。藤井道人監督と横浜流星が再タッグを組んだ「名もなき一篇・アンナ」を含む、“成長への気づき”をテーマに製作した4つの短編の予告編が収められている。
本企画は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けているクリエイター、制作スタッフ、俳優が継続的に創作活動に取り組めるよう、ソニー・ピクチャーズが立ち上げたプロジェクト。「新聞記者」の藤井監督、「カメラを止めるな!」の上田慎一郎監督、「幼な子われらに生まれ」の三島有紀子監督が中核となって映画製作を牽引し、新人を含めた9名の監督が参加した。藤井監督チームは“成長への気づき”、上田監督チームは“感触”、三島監督チームは“共有”をそれぞれテーマに掲げ、完全オリジナルストーリーとなる12の物語を紡ぐ。
藤井監督チームが製作したのは、「名もなき一篇・アンナ」(藤井監督/出演:横浜流星)、「流民」(志自岐希生監督/出演:石橋静河)、「タイクーン」(林田浩川監督/出演:小野翔平・窪塚洋介)、「ココ」(廣賢一郎監督/出演:笠松将・円井わん)の4本。
藤井監督の「名もなき一篇・アンナ」は、横浜演じる青年が時空を超える旅の中で自分の運命と向き合っていく物語。新型コロナウイルスの感染対策を万全に、スタッフを最小限に抑え、沖縄・京都・函館・東京を移動して撮影された。予告編は、アンナに「今日はどこへいく?」と声をかけられた青年が、そっと目を閉じるシーンから始まる。美しい景色を背景に優しい時間が流れていくが、アンナは「どうせ君は忘れちゃうから」と言う。横浜が「忘れないよ、忘れない」と涙するラストシーンが印象的だ。
志自岐監督が手掛けた「流民」では、石橋扮する主人公があるホテルに泊まろうとするが、いくつドアを空けても自分の部屋が見つからない。部屋ごとに異文化の世界が作り上げられたホテルで、“流民”となった彼女は自分の居場所を見つけることができるのか。
林田監督の「タイクーン」の予告編では、小野演じる移民のシンが酔っぱらって寝てしまった釣り船の上で、窪塚扮する謎の男から「地球人だな」とおもちゃの銃を向けられる。男は「海は次に何をするか見つける場所。お前は陸に着いたら一番に何がしたい?」とシンに問いかけ、夜の海の上で出会ったふたりの不思議な交流が描かれる。
廣監督の「ココ」の予告編は、笠松扮する料理人の熙舜(フィスン)が、円井演じる佳奈に妊娠を告げられる場面から始まる。「困るよ」「そもそも結婚とかするつもりないし」と口にするフィスン。父親との間に確執を持つ彼は、佳奈と真剣に向き合うことも、父親になる決心もつかない。最後のカットでは、フィスンが佳奈に後ろから抱きしめられるシーンが映され、結末が気になる仕上がりとなっている。
“成長への気づき”というテーマについて藤井監督は、「自分が解釈したのは“道のり”だったのかな」と話す。「自分たちでカメラを買って、最初に10万円とかで自主映画を撮っていたのですが、その中で確実に “成長”というものはあるわけで。あの辛い時期があったからこそ、自分が若い作家たちにしてあげられることは自分にしかできないことだと思います」とコメント。さらに「今回やる自分の作品もそういうものを大事にしてできたらなと思っています。ただ、非常に難しいテーマだとも思っています」と語った。
「DIVOC-12」は、10月1日より全国ロードショー。
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