「DUNE デューン」ベネチア映画祭でスタンディングオベーション ティモシー・シャラメ「この映画は僕にとって一生の栄誉」
2021年9月4日 12:03

「スター・ウォーズ」にも影響を与えたと言われるフランク・ハーバートの原作は、1984年にデビッド・リンチが映画化したほか、アレハンドロ・ホドロフスキーがH・R・ギーガーなどを起用して制作を試みるものの、頓挫するなど、何人もの監督を魅了してきたカルト的なSF小説。ビルヌーブ自身も十代の頃に読んで以来、映画化することが夢だったという。そんな彼の作品は、原作が持つ壮大なスケールと哲学的な深さに加え、現在の世の中ともリンクする要素を持っている。
人類が他の惑星に移住している西暦1万190年、レト公爵(オスカー・アイザック)は宇宙帝国の皇帝(ステラン・スカルスガルド)より、砂の惑星デューンを収める指令を受ける。だが、そこには陰謀があり、やがて公爵の息子で予知能力のあるポール(ティモシー・シャラメ)とその母(レベッカ・ファーガソン)も命を狙われることになる。
他の映画化作品と異なるのは、レベッカ・ファーガソンやゼンデイヤ扮する女性キャラクターの重要さだろう。また映画を牽引する主人公、ポールに扮したティモシー・シャラメのカリスマ性も、鮮烈な魅力のひとつだ。これまで「コンタクト」「ブレードランナー2049」といった作品を手がけてきたビルヌーブらしく、スタイリッシュでダークな映像と、ハンス・ジマーによる音楽が織りなす迫力は、観客を155分のあいだ魅了して止まない。

公式上映に先立って行われた記者会見には、ビルヌーブ監督とともに、ティモシー・シャラメ、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ハビエル・バルデムが出席した。ビルヌーブ監督は、本作のテーマの現代性について、「原作は60年代に書かれたものだが、今の世界を予言したような要素がある。宗教と政治の混合、救世主的な人物の持つ危険さ、植民地主義、そして環境問題など、まさに今我々が考えるべきことだ」と語り、「作曲家のハンス・ジマーと、女性のキャラクターを強調するようなスコアを入れることも考えた。女性の存在は、原作にとても重要なものだ」と明かした。
一方、役作りについて尋ねられたシャラメは、撮影の数カ月前にデビッド・リンチ版を観たことに触れ、「(ポール役の)カイル・マクラクランのことはとても尊敬しているけれど、ドゥニから自分自身のポールを作れと言われたら、すべてを忘れて没頭するしかない。砂の上を歩く練習もしたよ。SF小説の映画化はいろいろな要素があとから加えられがちだけど、ドゥニの場合はその反対。原作にとても忠実で、キャラクターはシリアスであり、リアリズムがある」と強調した。さらに「この映画は僕にとって一生の栄誉。願わくば、続編が作られて欲しい。それが夢だ」と、映画に対する熱意を顕にした。
本作は日本で10月15日から全国公開となる。(佐藤久理子)
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