「CUBE」V・ナタリ監督、菅田将暉主演のリメイク版をどう評価した? 撮影現場レポートも到着

2021年9月2日 09:00


オリジナル版「CUBE(1997)」を手掛けたビンチェンゾ・ナタリ監督
オリジナル版「CUBE(1997)」を手掛けたビンチェンゾ・ナタリ監督

カルト的人気を誇る1997年公開のスリラー映画を菅田将暉主演でリメイクする「CUBE 一度入ったら、最後」の公開を記念して、本日9月2日を「CUBEの日」とし、オリジナル版「CUBE(1997)」を手掛けたビンチェンゾ・ナタリ監督がコメントを発表。あわせて、撮影現場レポートも到着した。

本作は、謎の立方体に閉じこめられた男女6人の脱出劇を描いた「CUBE(1997)」を手掛けたナタリ監督初の公認リメイク作品。菅田をはじめ、岡田将生田代輝斎藤工吉田鋼太郎といった豪華俳優陣が共演し、「MANRIKI」の清水康彦が監督を務めている。

クリエイティブ・デザイナーとして参加しているナタリ監督。日本版リメイク製作については「本当に嬉しいことだと思ったよ。アメリカでも『CUBE』のリメイク版の話が進んでいたんだけど、そっちはそれほど興味が持てなかった。僕の感覚だと、オリジナルと同じものになりそうな感じがしたから。日本版の場合は、異なる文化的側面を持ち込んでスペシャルで新鮮なものになると思ったんだ」と打ち明ける。

ナタリ監督「(日本版は)オリジナル版で上手く機能したものがなにかとてもよく理解してくれていたと思う。ストーリーの根本的な部分もうまく機能していたし、デザイン的な部分もそう。リメイクとしてうまくいったと感じた。キャラクターもそうだし、キューブの中での彼らの衝突もある。オリジナルとは異なる種類の映画だ」

また「『CUBE』のキーは、他のSF映画と同様に、なにができるのかというアイディアを弾ませ、これを維持すること。トラップは内臓を揺さぶるような高いショック度と信憑性がないといけない。自分が観客の立場になればなるほど、映画そのものよりもキャラクターと一緒にその場所に自分がいるとより感じることができる。日本版の『CUBE』はこの点が上手くいっていると思う」と説明。さらに「ストーリーの転換は興味深かった。とても良かったね。キューブの中にいるキャラクターたちがお互いの関係を発展させていく様を描くのが上手だと思った」と絶賛している。

日本版を監督した清水康彦
日本版を監督した清水康彦

2020年10月にクランクインした「CUBE 一度入ったら、最後」。“CUBE”のセットのデザインは、限られた空間の中でどの壁をどちら向きで撮影をするか、カットごとにパズルのような困難な状態をクリアするべく、事前に作成した全カットの絵コンテを参照している。ライブ・コンサート環境に匹敵するLED照明など多様な照明セット、袖の長さ、ポケット、ボタンなど細部まで綿密に設計した衣裳など、“CUBE”を彩る要素を加え、4.5メートル四方6面体の四角い箱、荘厳で圧倒的な存在感を放つセットが完成した。

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オリジナル版では、予算の都合上1つしか部屋が作られなかった。本作では、成し得なかったあらゆる角度からの撮影と“CUBE”間の一連での移動撮影を実現させるために、本作では四角い6面体の部屋が2つ隣り合わせとなっているものと、その上に半分の部屋、さらに移動できる壁面を作成している。

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CUBE”内のトラップ構築は、清水監督と演出部が練り上げた数々の案に加え、オリジナル版のナタリ監督からもアイディアをもらい、日本式に進化を遂げた独創的なトラップが完成した。。膨大なカット数の撮影の助けになったのは、事前に作成した絵コンテと演出部発案の大量の立方体で作られたミニチュア模型と撮り順表。使用するセル、ハッチ間の移動、カメラの角度など、詳細に書かれた資料が毎日配られ、ミニチュア模型と照らし合わせながら検証することで、大きな混乱もなく撮影を進めることができたようだ。

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撮影終盤、毎日同じ閉塞的な空間でのハードな撮影に、キャスト・スタッフ共に、本当に“CUBE”に閉じ込められた感覚に陥り疲弊していった。だが、楽屋では、座長・菅田を中心に知恵の輪やルービックキューブで脳トレに励み、田代の誕生日をコンサートさながらのLED照明でお祝いしたりと、過酷な撮影の中でも楽しみを見つけながら“完走”したようだ。

なお、宝島社文庫より「小説 CUBE コンティニュード」(著者:黒崎リク、脚本:徳尾浩司)が10月6日に発売されることも判明。本作の冒頭で死ぬ“最初の男”に何があったのか――“CUBE”で目を覚まし、脱出を目指す姿が描かれている。価格は、700円(税抜き)。

CUBE 一度入ったら、最後」は、10月22日に全国で公開。

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