色味を限定し、冷戦下の雰囲気を完全再現 カンバーバッチ主演「クーリエ 最高機密の運び屋」場面写真
2021年8月21日 18:00

ベネディクト・カンバーバッチが主演・製作総指揮を務める「クーリエ 最高機密の運び屋」の場面写真が披露された。ある日突然スパイとなった平凡なセールスマン、グレヴィル・ウィン(カンバーバッチ)が緊張の面持ちでロンドンの街を歩く姿や、常に盗聴・監視されていることに警戒してアイコンタクトで何かを伝えるような場面が切り取られている。
舞台演出家として名高いドミニク・クックがメガホンをとった本作は、キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた知られざる実話を基に、核戦争回避のために命を懸けた男たちの葛藤と決断をスリリングに描く。

1962年10月、アメリカとソ連、両大国の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発した。世界中を震撼させたこの危機に際し、戦争回避に決定的な役割を果たしたのは、実在した英国人セールスマン、グレヴィル・ウィンだった。スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIA(アメリカ中央情報局)とMI6(英国秘密情報部)の依頼を受けてモスクワに飛んだウィンは、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)高官との接触を重ね、そこで得た機密情報を西側に運び続ける。
新型コロナウィルス感染拡大による公開延期を経て、8月13日からイギリス本国で劇場公開され、「撮影が良い。演技はさらに良い。想像をはるかに超える面白さ」(Empire Magazine)、「ベネディト・カンバーバッチはジェームズ・ボンドの人間味を見事に表現した」(The Times)と高評価を得ている。

場面写真は、1960年代のロンドンとモスクワの街並みや衣装、そして当時の雰囲気を再現したさまをとらえている。クック監督は、「色を限定したんだ。例えば、赤いレンガは使わないことにした。厳しさを感じさせたかったので、赤いレンガは一つもないんだ。ソフトで温かで趣きのある世界にはしたくなかったんだ」と舞台裏を明かす。
衣装に関しても同じように色味が限定され、保守的で派手ではない登場人物たちの性格が服装にも表れている。クック監督は「1960年代初めを舞台にしたスパイ映画や時代映画を何本も見たよ。60年代に作られた映画と、それ以降に作られた映画には面白い違いがあるよ。60年代の映画は派手さがなくて、よりリアルなんだ」と研究を重ねたそう。一見地味に見えるが、クック監督の徹底したリアリティへの追及が伝わってくる。
「クーリエ 最高機密の運び屋」は、9月23日から東京・TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。
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