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幻覚幻聴に悩まされる男の悲しく陰鬱なサスペンス「クリーン、シェーブン」、男の頭の中のノイズが心を乱す予告編

2021年7月30日 18:00

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長年見ることのできない幻の作品となっていた
長年見ることのできない幻の作品となっていた
(C)1993 DSM Ⅲ Films, Inc.(C) 2006 Lodge Kerrigan. All Rights Reserved.

8月27日から、25年ぶりに劇場公開されるロッジ・ケリガン監督作「クリーン、シェーブン」(1993)の予告編が公開された。

ケリガン監督初の長編となった本作は、悲しく陰鬱なサスペンス映画。幻覚幻聴に悩まされながらも娘を探し続ける、統合失調症の男の姿を徹底的に抑制されたトーンで映し出している。

ナイト・オン・ザ・プラネット」(91)、「デッドマン」(95)、「コーヒー&シガレッツ」(03)など、ジム・ジャームッシュ作品の常連スタッフであるジェイ・ラビノウィッツが編集を務め、第20回テルライド映画祭でワールドプレミアの後、第11回サンダンス映画祭や第47回カンヌ国際映画祭の他、ニューヨーク近代美術館でも上映され、ノイズに覆われた唯一無二の映像表現を、スティーブン・ソダーバーグダーレン・アロノフスキージョン・ウォーターズらが、“忘れがたき表現性”と絶賛。日本では、96年の公開以降、作品全体が放つ疲労感を覚える空気、悲惨さと哀愁が話題となり語り継がれるも、近年では見ることができない幻の作品となっていた。

このほど公開された予告編は、ケリガン監督自ら確認、フレーム単位の繊細かつ神経質な修正を経て完成したもの。自分の頭に受信機、指には送信機が埋め込まれていると信じている主人公ピーターの頭の中のノイズが全編を覆う。震えながらタバコを吸う姿、指先を見つめ、トマトを切るショット、そして少女の遺体……ピーターの混乱と不安を疑似体験し、見る者の心をかき乱すような映像が展開する。

クリーン、シェーブン」は、8月27日からシネマート新宿ほか全国順次公開。

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