少年たちが恋に溺れ、名曲「Sailing」に酔いしれる 「Summer of 85」ダンスクリップ完成
2021年7月20日 19:00
フランソワ・オゾン監督が、少年たちのみずみずしいひと夏の恋を描く「Summer of 85」のダンスクリップが公開された。ロックスター、ロッド・スチュワートの名曲「Sailing」に酔いしれながら、少年たちがふたりだけの時間を堪能する、きらめくクラブシーンが映し出されている。あわせて、行定勲監督や中島セナら著名人からのコメントも披露された。
本作はオゾン監督が、17歳の時に出会い感銘を受けた、英作家エイダン・チェンバーズの青春小説「Dance on My Grave」(「おれの墓で踊れ」/徳間書店刊)を、約35年の時を経て映画化したもの。「いつか長編映画を監督する日が来たら、第一作目はこの小説だと思った」と語るほど、思い入れの強い作品だ。物語の舞台は1985年の夏、北フランスの海辺の町。運命的な出会いを果たした16歳のアレックス(フェリックス・ルフェーブル)と18歳のダヴィド(バンジャマン・ボワザン)が愛に溺れ、永遠の別れを知るまでの、生涯忘れられない“6週間の青春”を描き出す。
ダンスクリップで切り取られているのは、互いに惹かれ合うアレックスとダヴィドが、クラブで激しく踊るシーン。気の向くままにダンスを楽しむダヴィドと、彼を真っ直ぐ見つめながら無邪気に飛び跳ねるアレックス。バイクのふたり乗りも、クラブでのダンスも、この胸の高鳴りも、“初めて”をすべて教えてくれたダヴィドの存在を噛みしめるように、アレックスは目を閉じる。そんな彼の背後から、そっとダヴィドがヘッドホンをつけると、場内の喧騒は一瞬で遠ざかり、「Sailing」が優しく響く――。初恋の喜びを知る誰もが心に留めておきたくなるような、美しい瞬間に仕上がっている。
オゾン監督は、「このダンスシーンこそ、映画のコアだ」と解説する。「ふたりは同じ音楽を聞いているのに、一緒に踊るわけでもない。ダヴィドは身体をくねらせながらへらへら笑っていて、かたやアレックスは天井のミラーボールをぼんやり見ている。撮影しているときはそこまで考えられていなかったが、あとでこのシーンを思い返してみると、早い段階でふたりの離別を予告していたんだと、改めて解釈できた」と述懐。「ちなみに、『Sailing』を提案したのは(アレックス役の)フェリックスなんだ。リズムと歌詞がしっくりきて、『これだ』と思ったね」と裏話も明かしている。
また「Sailing」のほかにも、80年代を代表する「THE CURE」の「In Between Days」などが、物語を彩る。なお本日7月20日から、公式Twitterおよび公式instagram(@summer85movie)で、「みんなの初恋を思い出す曲を教えてキャンペーン」がスタート。公式アカウントをフォローし、ハッシュタグ「#私の初恋プレイリスト」をつけて、思い出の曲のタイトルを投稿すると、抽選でポスターや原作本などがプレゼントされる。
「Summer of 85」は、8月20日から東京の新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、グランドシネマサンシャイン 池袋ほか全国で順次公開される。著名人が本作に寄せたコメントは、以下の通り。
ウォークマンから流れる忘れじのロッド・スチュワート、ボーダーの半袖シャツ、疾走する2人乗りのバイクに80年代のセンチメントが漂う。若き日の恋は太陽の下で輝きながら、傷つけ合って愛を知る。胸をしめつける素晴らしい青春映画だった。
淡い色合いがこの物語の美しさや儚さを一層際立たせている。二人の青年の友達でいて恋人のような姿は、十代にしかない爽やかなひとときと、日常のシーンを切り取ったようなリアルさが印象的。
少年という生きものを、ちょっと困るくらいすぐそばに感じた。
こんなにも一途で、熱く、愚かで、美しい恋がある。この人が愛しい。その想いが鮮やかに発光していた。十代だけに訪れる恋の物語。全ての人が心揺さぶられるだろう。
痛いほど危うくて、はっとするほど美しい。青春としか呼びようのない時間が見事に凝縮されている。
「理解」しようとすると、かえって見えなくなるものがある。この映画にちりばめられた繊細な感情を、ただ静かに見つめていたいと感じた。
人は誰も愛する人の心はおろか、自分の心さえ自由にできない。過ぎ去ってしまった夏の恋は、あまりに刹那的で残酷だ。けれどまばゆいほどに美しい。
そばにいるのに手が届かない。愛しているのに言葉が届かない。星の光が遠い空で燃える恒星の光であるように、最愛のひとへの距離は、永遠に近いほど遠い。ひとを思うことは、熱く苦しく幸福で、そして永遠に切ない。
美しい映像とともに、初恋、誓いを守る為の狂気、思いを文章にすることの大切さがよく分かる映画だった。好きな人が出来ると世界は広がる。
「男同士では共感されない」作品中のこのセリフが私の胸を突いた。男同士だというだけで隠さなければならなかった恋。しかし幸いなことに、彼の物語は終わらない。2021年から、1985年の彼にエールを送りたい。
空と海、ケミカルデニム、いたいたしいほどにまぶしい少年たちの時間。そこにある褪せたターコイズブルーがあまりにも鮮烈に心に刺さる。
冒頭アレックスは「君の物語じゃない」と言います。だけどTHE CUREの「In Between Days」が流れた瞬間これは傑作かもしれないぞと思い、見終わる時には僕のための映画になってました。前に進まなきゃと思ってる人に是非見て欲しい映画です。
海の水色、ジーンズの青、灼けた肌のオレンジ、緑のセイル。鮮やかな色彩の熱い恋、しかし物語はどこかずっと不穏です。恋に囚われたまま、逃れられなくなってしまった青年の物語。人をここまでさせるなんて、恋ってやっぱり恐ろしい。
ダヴィドの神々しいまでの美しさと、彼に寄り添うアレックスの微笑みの可憐さに終始終わりの予兆が付きまとい、気づけば2人のみちゆきを固唾を飲んで見守っていました。少年の心の高揚とか陶酔とか焦燥とか失望とか狂おしいほどの衝動とか鮮やかに描き出された初恋のすべてが深く胸を刺す作品です。
主人公アレックスとダヴィドは確かに愛し合っていた。ただその愛は交錯し行き違う。愛が交錯し合う時、アレックスは幸せだった。しかしダヴィドは拘束より自由を求めた。アレックスの純粋な、そして一途な愛に心打たれる。アレックスの愛情のあり方に涙した。これは純粋な愛の物語。誰もが理解できる愛の形が様々な要素を呈して描かれている。
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