「光のノスタルジア」「真珠のボタン」に続くパトリシオ・グスマン監督最新作「夢のアンデス」
2021年7月16日 16:00
2019年カンヌ国際映画祭最優秀ドキュメンタリー賞とインディペンデント批評家賞をダブル受賞したパトリシオ・グスマン監督の最新作「夢のアンデス」の公開日が10月9日に決定。大島依提亜氏デザインによるポスタービジュアルがお披露目された。
「光のノスタルジア」「真珠のボタン」に続く、チリ弾圧の歴史を描く3部作最終章。1973年9月11日、世界で初めて選挙によって選出されたサルバドール・アジェンデの社会主義政権を、米国CIAの支援のもと、アウグスト・ピノチェトの指揮する軍部が武力で覆した。ピノチェト政権は左派をねこそぎ投獄し、3000人を超える市民が虐殺された。
グスマン監督もドキュメンタリー映画「チリの闘い」撮影後、政治犯として連行されるも釈放。その後フィルムを守るため、パリに亡命することになる。失われた輝かしいアジェンデ時代の歴史と、クーデター後、新自由主義の実験の場となってしまった祖国の現状を、作家や彫刻家、音楽家たちの告白と記憶とともに、アンデスのように俯瞰した視座から改めて見つめ直すドキュメンタリーだ。
「夢のアンデス」は、10月9日から岩波ホールほか全国順次公開。