真珠のボタン
劇場公開日 2015年10月10日
解説
南米チリを代表するドキュメンタリー作家パトリシオ・グスマン監督が、祖国チリがたどってきた苦難の歴史を大自然の圧倒的な映像美とともに描き、2015年ベルリン国際映画祭で銀熊賞(脚本賞)、山形国際ドキュメンタリー映画祭で最優秀賞などを受賞したドキュメンタリー。チリ南部に位置する西パタゴニアの海底から、真珠貝のボタンが発見された。そのボタンは、かつて植民者によって祖国と自由を奪われた先住民の記憶を浮かび上がらせ、ピノチェト独裁政権下で政治犯として海に沈められた犠牲者たちの声をすくい上げていく。
2015年製作/82分/フランス・チリ・スペイン合作
原題:El boton de nacar
配給:アップリンク
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2022年5月16日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 太平洋を臨む全長4300kmに及ぶ国土を持つ、南米の国・チリ。
その西パタゴニアの海底でボタンが発見された。
海の底から且つて、ピノチェト政権によって政治犯として殺された人々や、祖国を奪われた先住民が、レールを身体に括りつけられ、海に投棄されていた。
そして、その寂びた鉄のレールに付着したボタンが見つかったのだ。
それだけのことからチリがどのような歴史を重ねてきたかが分かっていく。
その展開と内容に知的興奮と、それ以上の悲しみと戦慄を覚える。ー
◆感想
・ピノチェト政権の蛮行は、チリに何の恩恵も齎していない。
・先住民族を虐殺した白人の血が、ピノチェトにも流れている。故に、あのような残虐な行為が出来たのだ。
・先住民族は、海、水を大切にし、海と共に暮らして来た事が語られる。
・だが、後にやって来た人々は縦に長いチリの進むべき道を間違えたのだ。
<”人間の思考の原点は水”ジェミー・ボタンという人物の数奇な人生と共に、今作は海底で発見されたボタンの背景にある歴史などを追いつつ、ピノチェト政権によって政治犯として殺された人々や、祖国を奪われた先住民の姿をつまびらかにしていく。
現在、チリは経済面で停滞状況にある。その理由はこの映画を見れば、良く分かるのである。>
2020年7月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
大宇宙と自然の
驚異的な美しさを見せつける
縦長のチリ
人間は地球の支配者ではない
神という言葉もない
なぜ大量の先住民族は海に捨てられたのか…
ドキュメントで知る世界
2019年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
タイトルの美しい響きに騙されてはいけません。
本作はチリの不幸な歴史、迫害を受けた人々への壮大なレクイエムです。
チリの悲劇は一例に過ぎないでしょう、人類の侵略と殺戮の歴史は観る人を奈落の底へ引きずり込むでしょう。
製作の崇高な動機や映像表現には敬意を払いますが映画で期せずして学ぶことになった観客が味わう苦さを思うと心中複雑です。
2015年10月24日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
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