ラッセル・クロウ主演大ヒット作「マスター・アンド・コマンダー」の前日譚製作か
2021年6月8日 19:00
米20世紀スタジオが、ラッセル・クロウ主演の大ヒット作「マスター・アンド・コマンダー」(2003)の前日譚となる新作映画を企画していることがわかった。米Deadlineが独占で報じている。
「マスター・アンド・コマンダー」は、パトリック・オブライエンの海洋冒険小説「英国海軍の雄 ジャック・オーブリー」シリーズを原作に、「いまを生きる」「トゥルーマン・ショー」の名匠ピーター・ウィアー監督のメガホンで映画化。ナポレオン戦争期を舞台に、不敗神話を誇る伝説の英国海軍士官ジャック・オーブリー(クロウ)が、その情熱と誇りある生きざまを通じて、10歳の少年から老人までを含む総勢約130人の乗組員たちを率いて果敢に戦いに挑む姿を描いた海洋アドベンチャー大作だ。世界累計興行収入2億ドル超の大ヒットを記録したのみならず、米アカデミー賞では作品賞を含む10部門にノミネートされ、撮影賞と音響編集賞を受賞した。
同作は、全10巻からなる原作小説シリーズの最終章「南太平洋、波瀾の追撃戦」を下敷きにしており、当初は映画も原作同様にシリーズ化が計画されていたものの、その後進捗が見られず立ち消えになっていた。
前日譚となる新作は、まだ企画の初期段階にあり、J・A・バヨナ監督のダークファンタジー「怪物はささやく」の原作者である英作家パトリック・ネスが脚色を手がけるということ以外に、監督やキャストなどそのほかの詳細は不明。Deadlineが情報筋から入手した話によれば、オブライエンによる小説シリーズの第1作「新鋭艦長、戦乱の海へ」を下敷きに、初めて艦長の座に就任した若き日のジャックの活躍と、映画「マスター・アンド・コマンダー」でポール・ベタニーが演じたスティーブン・マチュリン軍医との出会いが描かれるとのことだ。
「心のナイフ」や「まだなにかある」といったベストセラーYA小説の著者として知られるネスは、「怪物はささやく」で脚本と製作総指揮を手がけたことを機に映画界に活躍の場を広げ、名作小説「蝿の王」をルカ・グァダニーノ監督のメガホンで映画化する米ワーナー・ブラザースの新作でも脚色を担当している。