永瀬廉主演で「真夜中乙女戦争」映画化! 池田エライザ&柄本佑も参戦
2021年3月15日 04:00

「King&Prince」の永瀬廉が、若年層を中心に圧倒的な支持を受ける作家Fが初めて手がけた小説を映画化する「真夜中乙女戦争」に主演することが明らかになった。二宮健監督のメガホンのもと、池田エライザ、柄本佑とともに3月下旬から4月にかけて予定している都内近郊での撮影を駆け抜ける。
同作は、無気力な日々を送る平凡な大学生の“私”(永瀬)は、「かくれんぼサークル」で出会った冷酷かつ聡明な“先輩”(池田)に惹かれながらも、人の心を一瞬で掌握してしまう謎の男“黒服”(柄本)と運命的な出会いを果たす。退屈な日々は一変し、「真夜中乙女戦争」という名の東京破壊計画に巻き込まれていく……。
“私”を演じる永瀬は、昨年公開の「弱虫ペダル」で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞したほか、5月から放送が始まるNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」への出演を控えている。原作を読み、「Fさんが紡ぐ言葉の一つ一つがゆっくりと全身を蝕んで、心が救われた」心境になったという。クランクインを心待ちにしている様子で、「撮影を経て、作品として完成した時に、最後にどんな“私”になっているのか…、今まで皆さんが思い描いていた“永瀬廉”のイメージとは違っているはずです」と並々ならぬ意欲をみなぎらせている。
池田は昨年、「夏、至るころ」で監督に初挑戦。アーティストとしてマルチな才能を発揮するなかで、今作ではクールなヒロインに扮するうえで、「この作品が世に、我々に何を問うか。時代に沿って様変わりしつづける生き物のようなこの作品に真摯に向き合えたらと思います」と胸中を明かしている。映画、ドラマに八面六臂の活躍をみせる柄本は、「二宮監督の現場は初めてです。永瀬さんとも初めてです。池田さんもちゃんと絡むのは初めて。『初めて』はとても怖いです。でも、だから面白いんだと思います。頑張ります」とシンプルながらも、現場に寄り添う柄本ならではのコメントを寄せている。
映画は、来冬に公開予定。キャスト、監督、原作者のコメント全文は以下の通り。
原作を読ませて頂いた時、Fさんが紡ぐ言葉の一つ一つがゆっくりと全身を蝕んで、心が救われました。なりたい自分がない、日々が退屈、友達もいない。自分と同世代の皆さんが抱える悩みの集大成のようで、だからこそ自分の意志で動いて、世界を変えてしまうんじゃないかと思わされる存在の“先輩”や“黒服”に出会ってまっすぐ惹かれてしまう、ある意味真っ白な青年の“私”。二宮監督には何よりも“カッコイイ”映画にして、一緒に成長しようとおっしゃって頂きました。撮影を経て、作品として完成した時に、最後にどんな“私”になっているのか…今まで皆さんが思い描いていた“永瀬廉”のイメージとは違っているはずです。皆さんと一緒にこの映画の世界観に酔いしれられる日を楽しみにしています。
ずっと正しく噛み合わないまま新たな動きを見せる歯車のなかで、争おうと生きる先輩を演じさせていただけることに感謝しています。優しく逞しく、嘘のないすっぴんな彼女になるのが楽しみです。この作品が世に、我々に何を問うか。時代に沿って様変わりしつづける生き物のようなこの作品に真摯に向き合えたらと思います。
二宮監督の現場は初めてです。永瀬さんとも初めてです。池田さんもちゃんと絡むのは初めて。「初めて」はとても怖いです。でも、だから面白いんだと思います。頑張ります。
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去る春の夜の出来事です。新宿はゴールデン街の路上で私がウイスキー瓶を喇叭飲みしていたところ、サングラス姿の男が私に近づいてこう言いました。「おまえ、小説書いたらしいな。俺が映画化したろか」と。このような不審者が終電過ぎの歌舞伎町にはよく出没します。私は気付けば彼の側頭部に酒瓶を勢いよく叩きつけ「あんなん映画にできるわけないやろ」「こんな暗い時代になに言うてんねん」「フィンチャーに勝てんのか」と泣きながら叫んでいました。
彼はしかし、己の額から流れる血を気にも留めず、アスファルトに散らばった黒い破片をひとつひとつ集め、それを口に含んで噛み砕き、あまつさえその血塗れの顔に満面の笑みを浮かべながらこう言いました。「俺なら、最高の傑作が作れる」と。「だから今から一緒に温泉に行こう」と。
私は、きゃっと悲鳴を上げ、一目散に走って家に逃げ帰りました。その夜の男が、あの二宮監督だと知ったのは随分後になってからのことです。無論、この話は大嘘です。なんなら葬儀でグラスを噛み砕きながら大見得を切る男が出てくる韓国屈指のノワール映画『アシュラ』は、私のフェイバリットでありますが、本件とは何ら関係がありません。
それにしても嘘の中に一握りの「本当」を滲ませるのが小説であり、音楽であり、映画だと考えられないでしょうか。そしてこんな時代でも私たちの心が映画を求め続けるのは、この一回限りの人生で、ダイヤモンドのように硬く、透き通った、一つの本当、一瞬の永遠に出会いたいからに他なりません。
都市の喧騒、若者の疾走、焦燥、衝突、そして、夜と光。人間の本当を描くプロ中のプロ、二宮監督が作る映画が面白くない訳がない。現代のアイドルを代表する永瀬廉さんには、いよいよこの度、ダークに、血まみれになって頂かねばなりません。池田エライザさんは今回どのように私たちを振り回してくださるのでしょう。危険極まる男を演じる柄本佑さんが放つ、男の色気にも大いに期待したい。
最後に夜型の皆様、都会の皆様、不良の皆様、お元気でしょうか。ロマンチストの皆様、失恋された皆様、大学生の皆様、あるいはかつて大学生だった皆様。ぜひ、続報をお楽しみに。この作品は少なくとも、あなた方に捧げられた映画です。
妖艶に輝く金箔のタイトルに心を引き寄せられ、興奮の中で一気に読み切った『真夜中乙女戦争』。綴られた言葉たちの魔法に魅せられ、未曾有のカタルシスに身がよじれるほどの衝撃を受け、「これは、必ず自分の手で映画にしなければならない」と、決意しました。
それから今日までの間、世界の情勢が揺れ動く度にFさんと密談を重ねました。ふたりで寄り添い時代を見つめ、多くのことが簡単に崩れ去ると知ってしまった、今を生きる私たちのための新たな物語として、この作品が響き渡るよう、脚本の改稿を重ねました。
永瀬廉さんと「一緒に成長できる作品にしよう」と誓いを立て、池田エライザさんとは「この映画をありきたりな映画にはしない」と覚悟を共有し、柄本佑さんには「最高にカッコいい悪役になって欲しい」と思いを託しました。この3人と現場を共に出来ること、今からワクワクしています。
闇に包まれた時代に、身の丈にあった夢と希望を謳うより、真夜中にあぶりだされた愛と戦争、そしてこの社会に巣食う心の本音についての物語を声高に語りたい。
大いなる期待を胸にどうぞ。公開まで今しばらくお待ちください。
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