坂元裕二、自身脚本の作品で泣いた 菅田将暉&有村架純に「とにかく感謝」
2021年1月29日 20:00

「東京ラブストーリー」「最高の離婚」などで知られる脚本家・坂元裕二が1月29日、初めて映画オリジナルのラブストーリーを手掛けた「花束みたいな恋をした」の初日舞台挨拶に登壇。主演を務めた菅田将暉と有村架純を前に、「自分自身が関わっているものなので恥ずかしいですが、素直に沁みてちょっと泣きました」と感動したことを明かした。
坂元が菅田と有村を主役に想定して書き下ろした本作は、東京・京王線の明大前駅で終電を逃し、知り合った21歳の山音麦(菅田)と八谷絹(有村)が過ごした“人生最高の5年間”を描き出す。全国350館で初日を迎え、この日は菅田、有村、土井裕泰監督、坂元が登壇した。
「特別に駆けつけた」と紹介された坂元は、「普段なかなか駆けつけることがないもんですから、うまく駆けつけられるか心配だったのですが、今日は皆さんも駆けつけてくださって……」と笑わせ、初めて鑑賞したときのことを「すごく感動したのですが、土井さんから『つまんなかったのですか』って言われて。たぶん、心の中でじんわりと秘めたものがあったと思います」と振り返る。
脚本を手掛けたにも関わらず泣いたことを告白すると、「俳優さんが演じた時点で、自分が書いたことを忘れてしまうので、いち登場人物たちの姿を見ている人間の一人として感動しましたね。(3人には)とにかく感謝の一言です。ありがとうと言いたい」と菅田、有村、土井監督にお礼を伝えた。
坂元の感想を聞いた有村は「とても嬉しいです。試写を見に行かせていただいたとき、坂元さんから『とってもよかったんじゃないですか』と言っていただいて、ホッと胸をなでおろしました」と安どの表情。
3年ほど前に菅田から「ラブストーリーをやりたい」とお願いされていたという坂元は、「その時の思いを果たせて感無量です。初めて会ったとき、菅田君は前髪がすごく長くて、顔が見えなかったんです。もっと怖い人だと思っていた」と思い出話を披露。ラブストーリーをやりたかった理由について、菅田は「思いつきでもあるし、今のうちにやんなきゃなって思った」と語った。
最後に、坂元は「この映画は、ラブストーリーであると同時に、カルチャーが消えていく瞬間も描いています。期せずして、この1年の期間と重なると感じています。この映画と同時に『名も無き世界のエンドロール』『ヤクザと家族 The Family』も同時に公開されて、僕はタッグを組んでいる気がしています。改めて、映画が公開されて、私たちにとって文化とは何か考えるきかっけになったらと思います」と呼びかけた。
また、本作の前に行われた「ヤクザと家族 The Family」の舞台挨拶では、主演の綾野剛が本作の名前をあげていたこともあり、菅田は「さっき剛君が『ヤクザと家族』の舞台挨拶で宣伝してくれたみたいなので、『ヤクザと家族』も見てください!」と“お返し”をしていた。
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