映像制作集団「空族」を日本映画専門チャンネルが特集! 富田克也監督の処女作「雲の上」も放送
2020年12月15日 11:00
映像制作集団「空族」が、日本映画専門チャンネルの番組「いま、映画作家たちは 2020-2021」(2、3月期)で特集されることが決定。テレビ初放送、未ソフト化作品に加えて、著名人たちへのインタビューから“日本映画界の独立愚連隊・空族”に迫る特別番組がラインナップされている。
富田克也、相澤虎之助らが立ち上げた「空族」は、“作りたい映画を勝手に作り、勝手に上映する”をモットーに活動。常識にとらわれない、毎回長期間に及ぶ独特の映画製作スタイルを貫いている。作品ごとに合わせた配給、宣伝も自ら行っており、作品はすべて未ソフト化という独自路線。テーマは日本に留まらず、広くアジアを見据えている。
今回の特集決定に際して、「空族」はコメントを寄せている。「わたしたちが空族と名乗り映画を作るようになって20年が経とうとしています。当時はまだ、映画はフィルムで撮られるべきもので、ビデオの画質は映画に耐えうるものではありませんでした。当然、それまでわたしたちが観てきた映画はすべてフィルムで撮影されたものばかりでした」と振り返る。
「そんなわたしたちが映画を作りたいと当時選んだのは8ミリフィルムでしたが、それは資金力のないわたしたちの手に届くのが8ミリフィルムしかなかったということでもありました。もちろんビデオという選択肢もありましたがそれはわたしたちにとって映画ではありませんでした。とはいえ、8ミリ映画が劇場公開されるということもまたあり得ません。それでも作りたかったのが『雲の上』(2003)という作品です。つまり『雲の上』は劇場公開されていない初期作品ということになります」
「雲の上」とは、富田監督の処女作。刑務所から出所した寺の跡取り息子・チケンと、幼馴染のやくざ・シラス。足を洗いたくても洗えないシラスを助けようとするチケンは、危険な道に巻き込まれてゆく。中上健次や柳町光男の世界観をほうふつとさせ、ドロドロと絡みつく“土地”の力を映し出している。
「時代はデジタル化を推し進めます。カメラなどの機材もデジタルが登場、劇場にもビデオプロジェクターが設置されはじめますが、空族はその流れにあらがうように、『国道20号線』(2007)を16ミリフィルムで撮影します。そして『サウダーヂ』(2011)を35ミリフィルムで完成させる頃には、世の中からフィルムというものが消えようとしていました。気が付けばわたしたちは自らの作品のソフト化も拒んできましたが、これはいうまでもなく、レンタルビデオ時代にあらがう態度でした。つまり、これまでの空族にとって映画とは、フィルムであり、劇場で観るべきものだったのです」
「しかし時は更に大きく進みました。『バンコクナイツ』(2016)、『典座 TENZO』(2019)は最初から最後までデジタルビデオで完成させたものです。そして、これまで劇場を守ろうとソフト化を拒み続けてきたわたしたちが、作品の放送に踏み切ったというのはもちろん、コロナウィルスの世界に与えた影響の大きさというのがあります。そして、このことはわたしたち自らにとってもひとつの大きな区切りにもなりました。いずれにせよ、わたしたちの作品が、これまでにない規模でたくさんの観客の目に触れる機会になることを望みます。そして、その機会を与えてくださった日本映画専門チャンネルに心から感謝致します」
「いま、映画作家たちは 2020-2021 空族の場合」(https://www.nihon-eiga.com/osusume/director2021/kuzoku/)は、日本映画専門チャンネルで2021年2、3月に放送。
「いま、映画作家たちは2020-2021 空族にまつわるいくつかのこと」
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