「90分程度の映画脚本開発」の最終選考者は谷本佳織監督に決定
2020年11月28日 06:00
「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」は、「90分程度の映画脚本開発」の企画プレゼンテーションを11月20日に開催し、脚本開発に臨む研修生として谷本佳織監督を最終選考で選出した。
「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト」とは、日本映画の振興の一環として文化庁より特定非営利活動法人 映像産業振興機構(VIPO)が委託を受け、2006年度よりスタート。次代を担う長編映画監督の発掘と育成を目指し、プロのスタッフの指導のもと、オリジナル脚本、35ミリフィルム撮影で30分の短編映画を制作する人材育成プロジェクトだ。これまでに「浅田家!」の中野量太監督、「踊ってミタ」の飯塚俊光監督らを輩出している。
「90分程度の映画脚本開発」は、過去のndjc参加者から脚本を募集し、一次選考で絞られた5人のよる企画プレゼンを実施し、その中から選出した1人の脚本を開発するプロジェクト。20日に開催された企画プレゼンには、谷本監督のほか、一次選考通過者である齋藤栄美監督、船越凡平監督、清水健斗監督が登壇し、田中希美絵監督はフランスからリモートで参加、与えられた15分間の持ち時間を使い、パイロット映像とともに自身の企画内容を発表した。
谷本監督は、ndjc2011で短編映画「あかり」を完成し、2018年に初長編監督作品「花は咲くか」が公開された。脚本を手掛けた「大コメ騒動」(本木克英監督)が2021年1月8日に公開される。最終選考者に選ばれた谷本監督がプレゼンした企画・脚本のタイトルは「旅打ち親子」。夢も希望もない人生を送る娘と余命わずかなパチンコ依存症の父親が、旅打ちをしながら日本を北上するロードムービーだ。
「人生で本当に必要なものは何なのかを問いかけ、限りある親子の時間を見つめ直したくなるような映画です。誰もがいつかは経験する“親との別れ”。そんなシリアスな題材を扱いつつ、ユーモアと笑いに満ちたロードムービーとして制作していきます」などと、谷本監督は企画意図をアピールした。
選考委員は根岸吉太郎監督、脚本家の加藤正人氏、プロデューサーの桝井省志氏、ndjcスーパーバイザーの香月純一氏が務めた。今回はコロナ対策のため密を避ける人数での実施となったが、そのような中でも日本映画製作者連盟4社、日本映画製作者協会の制作プロダクション各社をはじめとした映画業界関係者が参集した。谷本監督は今年度内に講師による指導、シナリオハンティングも含めて脚本開発を実施する。
なお、今年7月から8月に実施された「ndjc:若手映画作家育成プロジェクト2020」ワークショップに参加した20人の中から選出された植木咲楽、木村緩菜、志萱大輔の3監督の各短編が11月28日から順次クランクインする。2021年1月に仕上げをして完成。2月から3月にかけて東京ほかで合評上映会を行い、劇場公開する予定。
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