第21回東京フィルメックス、アゼルバイジャンの新鋭が最優秀賞 上映作品の一部を11月21日から配信
2020年11月7日 19:07

第21回東京フィルメックスの授賞式が11月7日に有楽町朝日ホールで開催された。アゼルバイジャンのヒラル・バイダロフ監督の「死ぬ間際」が最優秀賞作品に輝いた。
アジア圏から集結したコンペティション出品の全12作の中から選ばれた「死ぬ間際」は、行く先々で死の影に追われる主人公の1日の旅を荒涼たる中央アジアの風景を背景に描いた物語。審査委員長の万田邦敏監督は、「一人ぼっちの人間がこの世界とつながるには何が必要か……神話的で重層的、そして中央アジアの大自然。映画監督だったら誰でも撮ってみたい風景、そしてユーモアが描かれていた。人と人がつながるには愛が必要だと単純なことに行きつくのですが、そこに行きつくまでを見事に描いていました」と作品を評した。
ヒラル・バイダロフ監督は、「選んでくださってうれしく思います。アゼルバイジャンの映画を初めて見たという方もいらっしゃると思います。映画祭のみなさま、ありがとうございました」とビデオメッセージで喜びを語った。
審査員特別賞は、池田暁監督の「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」。登壇した池田監督は「最優秀作品は何かな、もう1回呼ばれないかなと思っています。この期間、ずっと映画を見ていました。コンペティションにもいい作品がたくさんあったので、この映画祭をきっかけに、また日本でも見られるといいと思います。こういう時期に開催してくださったことを感謝しています」とコメント。万田監督は「ユーモアと想像力にあふれ、独自の世界を自由に想像している」と、授賞理由を伝えた。

最後に万田監督が審査過程を振り返り、「12作品のそれぞれの国、そこに住む人たちが抱える問題、喜び、楽しさ、苦悩が描かれていました。審査の過程では、審査員自身の映画観や感性が試される場になった。皆さんと意見を交換するのは楽しいことでしたが、2本を選ばなくてはならず、長く議論を重ねました。映画はどの時代でも必ず現代を描かざるをえません。120年前に発明されたテクノロジーで現代を描くこと、12本のすべてが今何を発信するかに自覚的でした」と講評した。
東京フィルメックス、特別協賛のシマフィルムによって設けられた、若い映画製作者を対象とした新アワードNew Director Awardには、山本英監督の「熱のあとに」が選ばれた。
プログラムディレクターの市山尚三氏は、コロナ禍での開催について「今年の4月の時点では開催できるかどうかが微妙でしたが、リアルな開催にこぎつけられたのは、サポートしてくださった皆さまのおかげ。東京国際映画祭と同時期の開催ということで手探りな状態でした。上映がかぶってしまったなどの声もあるようですが、日本映画界を盛り上がていくために今後も続けていきたいですし、改善できるとことはしていきたい」と振り返り、今後の抱負を語った。
また、今年は上映作品の一部のオンライン配信を決定。ラインナップは最優秀賞を受賞した「死ぬ間際」をはじめ、「風が吹けば」「迂闊(うかつ)な犯罪」「イエローキャット」「デニス・ホー:ビカミング・ザ・ソング」「マイルストーン」「アスワン」「無聲(むせい)」「日子」「海が青くなるまで泳ぐ」「平静」「消えゆくものたちの年代記」「D.I.」の13作。11月21~30日に特設サイトから鑑賞できる。詳細は東京フィルメックス公式HP(filmex.jp)で告知する。

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