難民を“映画で支援” 世界を知るドキュメンタリー6作が見放題、募金つきオンラインシアター11月1日から
2020年10月29日 14:00
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本の公式支援窓口である国連UNHCR協会が、世界の難民・避難民への支援を呼びかけ共感の輪を広げる配信型の映画イベント「UNHCR WILL2LIVE Cinema2020 募金つきオンラインシアター」を11月1日から開催する。
日本初公開作品を含む新作2作品をオンラインで配信。視聴料を1度支払うと期間中は見放題で、視聴料の一部は「観る支援」として、日本国内の難民問題啓発活動に活用される。
期間は2020年11月1日~12月10日。料金は2000円(視聴料2000円)、3000円(視聴料2000円、難民のための匿名募金1000円)、5000円(視聴料2000円、難民のための匿名募金3000円)から選択。匿名募金は、難民問題の啓発活動に役立てられる。
申込はUNHCR WILL2LIVE Cinema公式サイト(https://unhcr.will2live.jp/otwd2020-01)から、11月1日午前8時~12月9日午前0時に受付け、視聴は申込の翌営業日から可能。現在国連UNHCR協会公式YouTube上では、MIYAVI(UNHCR親善大使)、長野智子(国連UNHCR協会報道ディレクター)、井上咲楽、今市隆二、ライムスター宇多丸からの応援動画メッセージを配信中だ。
第92回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞ノミネート作品
シリア内戦により荒廃した街の下には、包囲された市民に希望と避難の場所を与える地下病院があった。その病院で治療に当たるのが、小児科医であり病院の責任者でもある医師のアマニ・バロア。家父長制的な文化の中で働くアマニや同僚の女性たちは、男性と同等に働く権利を主張する。そして、日常的に続く爆撃や物不足、さらには化学攻撃の恐怖と闘いながら日々を過ごす。アマニを中心に、困難に立ち向かい結束する人々の姿を追う。
LGBTであることによりひどい迫害を受け、母国シリア、アンゴラ、コンゴ民主共和国を逃れてアメリカに第三国定住した4人の若者の人生を追ったドキュメンタリー。それぞれに共通しているのは、社会からの偏見と差別にさらされ、命の危険を脅かされるほどの迫害を受けてきたことだった。彼らが安心を求めるために払わなければならない代償とは?アメリカで人々は彼らにどのように関わっているのか?4人の若者から、人としてただ当たり前に生きたい、という切実な叫びが聞こえてくる。
タリバンから逃れるためアフガニスタンから難民としてイランへ逃れた少女ソニータ。テヘランのシェルターで教育を受ける彼女の将来の夢はラップ・ミュージシャン。だが祖国に住む親は兄の結婚資金を得る為にと、彼女に政略結婚を命じる。そもそもイランでは女性がソロアーティストとして活躍する事も出来ない。それでも夢を捨てきれない彼女の運命を変える出来事が起きる。果たしてソニータは人生を変えるチャンスをものにする事ができるのか―。
シリアの街アレッポは今日もまた昼夜を問わず爆撃が続く。そこには人々が逃げ惑う中、誰よりも早く瓦礫の中から生存者を救うため、爆撃地に向かう男たち「ホワイト・ヘルメット」の姿が。戦闘機が再び攻撃を仕掛けて来るかもしれない中、人々の命を救おうとする男たち。だが彼らにも守るべき家族がいる。自らの命を懸け、家族を危険にさらしてまで、そこに留まるべきか否か―。本作は筆舌に尽くしがたい苛烈な戦闘地で人々が見せる勇気と他者に対する人間愛を描く。
コンゴ民主共和国出身の婦人科医、人権活動家デニ・ムクウェゲの姿を追ったドキュメンタリー。ムクウェゲ医師は第2次コンゴ内戦以来続く戦禍の中でレイプ被害にあった数多くの女性を治療し、彼女たちの精神的なケアと啓発活動にも人生を投じた事が評価され、2014年にサハロフ賞を受賞した。カメラはムクウェゲ医師と彼を支える人々、レイプ被害者の女性たち、そして戦乱の背景にある紛争鉱物の実態にも迫る。2018年にはノーベル平和賞受賞を受賞。
2018年のノーベル平和賞の受賞者、ナディア・ムラドは過激派組織ISISによる虐殺と性奴隷から逃れた23歳のヤジディ教徒。彼女は、普通の女の子として生きたいという思いがありながらも、残された同胞のため、国連などの国際的な表舞台でヤジディ教徒が直面する現実を訴える。やがて、同郷の人々の希望の存在となっていく。彼女は当事者として国連初の人身売買の被害者らの尊厳を訴える国連親善大使に就任。2015年以来、国際刑事裁判所に人種差別罪と人道に対する罪を訴え、ISISを国際刑事裁判所に提訴するよう取り組んでいる。
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