余命宣告された祖母に真実を告げる? 実話を基にした「フェアウェル」監督の叔父に聞く裏側
2020年9月24日 13:00

[映画.com ニュース]中国で生まれアメリカで育ったルル・ワン監督が自身の体験に基づき描いた「フェアウェル」が、10月2日から公開される。ワン監督の叔父にあたり、登場人物のモデルになったワン・ハイビン氏が本作について語った。
気鋭スタジオ「A24」が贈る本作は、祖国を離れて海外で暮らしていた親戚一同が、余命わずかな祖母・ナイナイのために帰郷し、それぞれがナイナイのためを思い、時にぶつかり、励まし合いながら過ごす日々を描く。「クレイジー・リッチ!」のオークワフィナが、アジア系アメリカ人女優として初のゴールデングローブ賞(主演女優賞/ミュージカル・コメディ部門)に輝いた。
日本在住30年のハイビン氏は、劇中で行われる“嘘”の結婚式での新郎ハオハオの父親のモデルとなっている。結婚式中の挨拶や、母親と食事をするシーン、日本の健康食を母親に勧める場面などは、ハイビン氏の実際のエピソードに基づいている。
「ルル(・ワン監督)が小さい頃に2~3年、ナイナイの家で一緒に住んだことがあったので、彼女が小さい頃のことはよく覚えています」と懐かしんだハイビン氏。中国では、助からない病は本人に告げないという伝統があり、本作でもナイナイに病のことを告げるか家族内で揉める様子が描かれるが、その当時のことを以下のように振り返る。

「一部の親戚の方にも相談して、母には病気のことは伝えないことにしました。ルルのことは親戚一同心配でした。彼女は強い女性で、『おばあちゃんに本当のことを言わないといけない』という意見を持っていました。みんな母に隠れて泣いたりしていましたが、バレないようにするためには、できるだけ本人と直面する場を作らないことが一番です。立場的に私とルルの父が難しかったです。話もしますし、一緒に食事をしたりするといろんなことを聞かれたので、そんな時は気持ちを抑えて違う話をするようにしていました」
結婚式のシーンでは、ハイビン氏をモデルにしたキャラクターが、挨拶の途中に母への思いがあふれ、号泣するシーンが印象的に描かれる。実際にあったことだと明かしたハイビン氏は「最初は新郎の親として話をしていたんですが、挨拶をする場所の目の前に母がいて、本当に嬉しそうな笑顔を見ているうちに、段々と気持ちが抑えられなくなり、母への感謝しか話せなくなってしまいました」と涙の理由を話す。
「ルルが一生懸命家族を考えたこと、自分の映画を一生懸命作っていることが嬉しかった」と家族の成功を喜び、公開を待ち望んでいた。
「フェアウェル」は10月2日から全国公開。
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