V・カッセルが、自閉症児に愛ある指導 「最強のふたり」監督新作「スペシャルズ!」本編映像
2020年9月1日 14:00

[映画.com ニュース] 「最強のふたり」のエリック・トレダノ、オリビエ・ナカシュ監督がケア施設に働く2人の男たちの実話を、バンサン・カッセル主演で描いたヒューマンドラマ「スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」の本編映像の一部を映画.comが入手した。
「最強のふたり」をはじめ、社会的に弱い立場ある人々を前向きに、ユーモアを持って描いてきた監督たち。「スペシャルズ!」の主人公も「最強のふたり」と同じく、実在するふたりの男たちがモデルとなっており、監督たちが25年以上付き合いのあるケア施設を舞台にしている。
このほど公開された映像は、カッセル演じるブリュノが、自閉症のジョゼフを勤め始めたばかりの職場に車で送るシーン。駅で非常停止ボタンを押し、電車を止めてしまい遅刻したジョゼフ。やっと決まった仕事をクビになることを心配するブリュノは、職場に送り出す前に「謝り方」を確認する。生真面目に、駅で非常停止ボタンを押したことや仕事とは関係ないことまでも上司に謝ろうとするジョゼフに、今回は、理由について余計な説明はせずに、遅刻したことをきちんと謝ろう。と温かいまなざしで根気強くアドバイスする。ささやかな日常のワンシーンだが、理解をしたジョゼフが職場に向かう前、心を落ち着かせるようにブリュノの肩にそっと頭を預ける様子に心が動かされる。
本作で当事者の日常や問題に寄り添うような演出を目指した監督は、本物の介護者と自閉症の若者、その家族らを多数起用している。ジョゼフを演じるベンジャミン・ルシューも自閉症で、パリにある、他者とのコミュニケーションに問題を抱える人々を雇っているアートグループに所属している。キャスティング中にベンジャミンと出会って仲良くなった監督たちは、ベンジャミンの両親の「スタッフの皆さん大変だと思うが、ぜひとも参加させてやりたい」という忠告と希望を汲み起用を決意。彼の起用についてトレダノ監督に尋ねると「彼からは大変どころか作品作りや演出のアイディアをもらうこともたくさんあった。彼自身が好きで繰り返す言葉をセリフとして使ったりしているんだ」と明かしている。
もちろん撮影中に困難はあり、うまくいかないこともあった。しかしナカシュ監督は「映画の中でもそれを一つの事実として見せたいと思ったから、どんな時でも柔軟に対応した。」と語り、施設や当事者たちと長年コミュニケーションをとってきたからこそ、実現した企画であることを伺わせる。
そしてベンジャミンとの共演が多かったカッセルは「彼とのコミュニケーションは、手探りでやっている部分もあったけど、僕には決まった演技のメソッドやこだわりはないんだ。彼が楽しんでいれば安心できたから、まずは彼のリズムを見つけるようにした」と、様々な監督や役者と共演してきたベテランならではのやり方で臨んだと振り返った。
「スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話」は9月11日から、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開。
(C)2019 ADNP - TEN CINEMA - GAUMONT - TF1 FILMS PRODUCTION - BELGA PRODUCTIONS - QUAD+TEN
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