大林宣彦監督に見出された原石・吉田玲、ただいま女優を目指して“就活”中
2020年7月6日 13:00
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[映画.com ニュース]大林宣彦監督による「海辺の映画館 キネマの玉手箱」が、7月31日から劇場公開される。奇しくも公開予定だった4月10日に他界した大林監督が20年ぶりに故郷・尾道で撮影した本作。ヒロインに大抜てきされたのは、本作が本格的なデビュー作となる新進女優の吉田玲だ。今年3月に山口県下関市の高校を卒業した18歳。現在、特定の芸能事務所には所属しておらず、春から東京で女優を目指し“就活”に勤しんでいる。
2007年から地元の「劇団 Zing♪Zing」に所属し、柴口勲監督が手がけた自主映画のミュージカル作品「隣人のゆくえ あの夏の歌声」(2016年製作)に出演。同作を大林監督が鑑賞したことが、シンデレラストーリーの幕開けとなった。映画の公式サイトを通してコンタクトがあり、早速、吉田と大林監督、そして大林恭子夫人が、大林作品にたびたび登場する尾道のカフェ「茶房こもん」で対面することに。
「ここのワッフルがおいしいんだよって、ごちそうになりました。最初は面接だという意識もあって、緊張していたんですけど、その場では1時間くらいお話をしただけで……。印象に残っているのは、大きな手で握手してくださったこと。監督の優しさが伝わりましたし、奥様とも仲が良くて、とてもすてきだと思いました」
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このとき、すでに大林監督は吉田の起用を決めていたといい、当の本人は「映画への出演が決まったと聞いた瞬間は、驚きすぎて正直ちんぷんかんぷんで」と振り返る。
「海辺の映画館 キネマの玉手箱」は今夜限りで閉館する尾道の映画館を舞台に、戦争映画を特集したオールナイト上映に駆けつけた若者3人が、戊辰戦争、日中戦争、沖縄戦、そして原爆投下前夜の広島にタイムリープする、大林節全開のファンタジーだ。ヒロインの希子は「戦争について学びたい」という思いから3人とともに、映画の世界に迷い込む役どころ。吉田はさまざまなヒロイン像を“演じ分ける”という難役に加えて、幼少期からのミュージカル経験を生かして、歌唱やダンスも披露している。
「撮影に参加したのは1カ月半くらいですね。すべてが初挑戦のことで、不安もありましたが、周りの皆さんが支えてくださって、楽しくお芝居ができたと思います」
広島に投下された原爆の犠牲になった移動劇団「桜隊」のメンバーを演じる常盤貴子、成海璃子、山崎紘菜とはこんなエピソードも。「撮影がお休みの日に、常盤さんの運転で、4人で尾道をドライブしたんです。先ほどお話した茶房こもんに行ったり、みんなでロープウェイに乗ったり(笑)」。想像しただけで、豪華な休日は「とても楽しかった」と声を弾ませる。
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もちろん、戦争の不条理を描き出す作品に対しては、さまざまな思いが去来した。「特に『戦争では敵に殺される前に、味方に殺される』というセリフが怖かったです。いつどんな瞬間、戦争が起きてもおかしくない……という大林監督の思い。戦争をさせないために、自分たちがどう行動すべきか、考えさせられる映画でした」。クランクアップの際には、大林監督から「未来は君たちに任せるから」という言葉を受け取ったといい、「重みがあり、グサッときました」と背筋を伸ばす。
それだけに「同世代の人たちこそ見てほしい」という“願い”が強くあり「ミュージカルにアクション、少しホラーな部分もあって、ご覧になる皆さんを映画の世界に巻き込む、文字通り玉手箱のような作品。3時間近い映画ですが、あっという間です。言葉で伝えきれないので、ぜひ見て感じてほしいと思っています」とアピールにも熱が入る。
しばらくは、故郷の山口県と東京を往復しながら、活躍の場を模索する予定だが、過去に数多くの名女優を発掘してきた大林監督が見出した“原石”吉田玲が、女優として大いなる第一歩を踏み出す瞬間は見逃せない。
「海辺の映画館 キネマの玉手箱」は7月31日から全国公開。
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