ドニー・イェン主演作撮影が大幅延期、「AKIRA」を襲った不運 香港映画館再開までに何が起こった?
2020年5月9日 11:00
[映画.com ニュース]コロナ禍で営業を停止していた香港の映画館が、5月8日に営業を再開。2週間以上、新たな感染者が出なかったことから、バー、スポーツクラブ、美容関連施設とともに再開が認められた。大手の「Broadway Circuit」といった各映画館が厳格な入場ルールを決め、第39回金像奨で8冠を獲得した「少年の君」、ドリームワークス・アニメーション作品「トロールズ ミュージック★パワー」、山田洋次監督作「男はつらいよ お帰り 寅さん」などを上映している。
“映画館再開”という吉報がもたらされるまで、香港映画界には多くの苦難があった。中国の映画サイト「Mtime」によれば、新型コロナ感染拡大がほぼ終息となっていた頃、欧米からの“第2波”が到来したことで、映画の撮影が全て延期に。この緊急事態について、香港映画関係者総会会長・田啓文氏は「映画業界に入って41年間、SARSが蔓延した時の非常事態も経験しましたが、今ほど恐怖を感じていることはありません。(今の状況が)このまま続けば、映画人の8割以上が業界から離れ、香港映画界は確実に破滅します」と語っていた。
現時点では、新型コロナの感染が拡大する前に撮影を終えていたラム・カートン主演作「手捲煙(原題)」(英題:Winston)以外、新作の撮影はストップ。上映を予定していた作品も、全て公開延期が決まっている。ドニー・イェンが主演する「極地捜救(原題)」(暫定の英題:Polar Rescue)は、19年末から製作がスタートし、20年1月に白頭山での撮影を開始。しかし、すぐさま進行が停止してしまい、配給会社「星皓娯楽」が「撮影再開は今年11月」「延期によって多大な損失が生じた」と発表した。
中国の旧正月(1月25日~2月8日)にも上映される予定だったダンテ・ラム監督作「緊急救援(原題)」(英題:The Rescue)、第15回大阪アジアン映画祭で上映された「堕落花」(英題:The Fallen)なども公開延期作に含まれ、日本映画の香港配給を手掛ける「安楽影片」も窮地に陥った。配給作品「AKIRA」(4Kデジタルリマスター版)の前売り券の販売がかなり好調だったが、映画館の休業によって、上映が延期になってしまったのだ。
また「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」を大ヒットさせた「Universe Enter」の作品も続々と公開延期&中止に。苦肉の策として、ハンギョン主演の新作映画「我們永不言棄(原題)」(英題:Knockout)のオンライン配信を、4月20日から動画配信サービス「IQIYI」などで開始していた。そのほか、大手映画会社「エンペラー・エンターテインメント」も“休業状態”に追い込まれ、多くの社員が“無給の休暇”をとるはめになってしまった。
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