ディアオ・イーナン監督が現代中国の暗部をえぐる! 5年ぶりの新作「鵞鳥湖の夜」5月公開

2020年2月28日 21:00

孤独に溺れて、闇夜を彷徨う
孤独に溺れて、闇夜を彷徨う

[映画.com ニュース]第64回ベルリン国際映画祭の金熊賞、最優秀男優賞(銀熊賞)を獲得した「薄氷の殺人」のディアオ・イーナン監督による5年ぶりの新作「The Wild Goose Lake(原題)」が、「鵞鳥湖の夜」の邦題で、5月29日から日本公開されることが決定。あわせて、夢幻的で魅惑的な雰囲気が漂うポスタービジュアルもお披露目された。

薄氷の殺人」のグイ・ルンメイリャオ・ファン、撮影監督のトン・ジンソン、ウォン・カーウァイ監督作「花様年華」「2046」に参加した照明監督ウォン・チーミン、「1911」のフー・ゴーなど、中華圏を代表するキャスト、スタッフが集結。中国の知られざるアンダーグランドの犯罪や社会の底辺で生きる人間たちの現実をあぶり出している。

2012年、中国南部。再開発から取り残された鵞鳥湖(がちょうこ)の周辺地域は、ギャングたちの縄張り争いが激化していた。刑務所を出所して古巣のバイク窃盗団に舞い戻った裏社会の男チョウは、対立する猫目・猫耳兄弟たちとの揉め事に巻き込まれ、逃走中に警官を誤って射殺してしまう。たちまち全国に指名手配され、警察の包囲網に追いつめられたチョウは、自らに懸けられた報奨金30万元を妻と幼い息子に残そうと画策。そんなチョウの前に現れたのは、妻の代理としてやってきたアイアイという見知らぬ女。彼女と行動をともにするチョウだったが、警察や報奨金の強奪を狙う窃盗団に行く手を阻まれ、後戻りのできない袋小路に迷い込んでいく。

本作は夜間シーンが大半を占め、その暗闇の魅惑に満ち、光と影の強烈なコントラスト、極彩色のライトや蛍光ネオンサインが照らす妖しいムードが際立ち、観客を夢幻的にして迷宮的な陶酔へと誘っていく。1940年~50年のハリウッドのフィルムノワールに精通し、シャープでモダンな独自の感性を持ち合わせたイーナン監督が、革新的な演出スタイルを見せつけている。

ストーリー展開は、孤独なアウトサイダーである主人公の男女、警察の捜索チーム、バイク窃盗団のギャングの行動が交錯していく内容。フラッシュバックを導入した幻惑的な語り口、湖や雨などの“水”をフィーチャーしたロケーション、ダイナミックで切れ味鋭いアクション・シークエンスと相まり、濃密なサスペンス、エモーションを創出している。

「鵞鳥湖(がちょうこ)の夜」は、5月29日から東京・新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。

(映画.com速報)

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