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東陽一監督、田中裕子主演の傑作「ザ・レイプ」は「受難の歴史があった」

2020年2月16日 09:00

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東陽一監督(左)と小玉憲一監督
東陽一監督(左)と小玉憲一監督

[映画.com ニュース] ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作「絵の中のぼくの村」などで知られる東陽一監督に迫ったドキュメンタリー「現在地はいづくなりや 映画監督東陽一」の公開を記念し、東監督の1970~80年代の4作品を紹介する特集上映が2月15日、東京・ポレポレ東中野で開催、田中裕子主演「ザ・レイプ」(82)上映後、東監督が作品を語った。

落合恵子氏による同名小説が原作。恋人の家からの帰宅途中に、過去に一度だけ面識のあった男から強姦された主人公が裁判を起こし、セカンドレイプやその後の恋人との関係に悩みながらも、たくましく生きていく姿を描くドラマ。風間杜夫伊藤敏八津川雅彦らが共演。

田中の熱演が高く評価された本作について、東監督は「受難の歴史があった」と明かす。「企画が上がった時点で、僕の中で主演は田中さんで決まっていた。彼女が断ったら(監督を)降りるつもりだった」そうだが、脚本の執筆途中で田中にコンタクトを取った人物を通して、一度断られたという。「田中さんにお願いして脚本50ページくらいを読んでもらい、その後直接お会いしました。『東さんって面白い字を書くのね』と言われました。その日は雑談だけしましたが、その会話がOKのサインだと思った」と、田中の出演が正式に決まるまでのやり取りを振り返った。

また、「週刊誌に(原作者の)落合氏が抗議していると書かれたが、落合さん本人から連絡をもらい、そんな事実はなかった」「映画をきちんと読み取ってもらえなかったのか、フェミニズム運動を激しくやっている女性から抗議を受けた」など、センシティブな題材ゆえ、公開後にさまざまな抗議があったことも明かした。「困難を乗り越えることができなかった恋愛中の1組のカップル、その原因は深いところにあるということを描きたかった」と同作のテーマを述べ、公開から40年近く経った現在は好意的な感想をもらうそうだ。「今はあまり叩かれなくなった。フィルムが劣化しているので早く4Kにしてほしい」と再評価を喜んだ。

性暴力により心身が傷つき、恋愛や仕事の悩みも抱えながらも、都会で自立し、強く生きる女性を体当たりで演じきった田中は、今作で第6回日本アカデミー賞にノミネートされた。「僕は女優は女神様だと思っています。田中さんは脚本に文句をつけることなく演じてくれた」「こんなしんどい役、役者は普通やりたがりません。田中さんにはとりわけつらい役を演じてもらった。賞は獲れなかったけれど、僕はその年の日本映画の主演女優賞だったと思う」と称えた。

22日から同館で公開の「現在地はいづくなりや 映画監督東陽一」は、小玉憲一監督が、東監督のほか、緑魔子烏丸せつこ常盤貴子ら女優陣、映画関係者のインタビューを軸に、東監督の作品の魅力とその軌跡を追うドキュメンタリー。東監督は「『私の仕事は映画を撮ることで、撮られることではない』と断りましたが、言いくるめられてカメラの前に立った。小玉さんの力量が分かる映画ですが、主人公のじいさんが良いかどうかは保障できません」と、自嘲気味にPRした。

「東陽一 特集上映」は、ポレポレ東中野で2月21日まで、「現在地はいづくなりや 映画監督東陽一」は、22日から公開。

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