現在地はいづくなりや 映画監督東陽一

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解説

ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作「絵の中のぼくの村」などで知られる映画監督・東陽一を捉えたドキュメンタリー。映画監督・脚本家として半世紀にわたって作品を撮り続けてきた東監督が、映画の制作過程や自身について初めてカメラの前で語る。常盤貴子、緑魔子、烏丸せつこら、東作品で主演を務めた俳優たちとの対談や映画関係者の言葉、フィルモグラフィーを通し、20本を超える東作品の魅力と、東陽一自身についてひも解いていく。

2020年製作/94分/G/日本
配給:モンタージュ

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(C)2020 MONTAGE inc.

映画レビュー

5.0そこに在るはずのものが、見えなくたっていいじゃないか。分からなくたっていいじゃないか。

だい茶さん
2020年2月29日
Androidアプリから投稿

小玉憲一監督による、名匠東陽一監督への尊敬と愛情がたっぷりと詰まった、「小玉さん」と「東さん」とその新旧の仲間たちのごく私的で、なおかつリラックスして鑑賞できて時にクスリと笑いが漏れてしまうような、でもこんな「今」だからこそ学ぶところの多い、質の高い言葉が並ぶタイムリーなドキュメンタリー映画でした。

観客を選ぶかと思いきや、むしろ東陽一作品を知らない若い世代にこそ観てほしいと思いました。映画館を出たらきっと、若く勢いのある初期の不思議な映画、今ではもうあまり見られないような上手い役者たちの芝居とともに舞台となる街を活写した中期の作品、内外から高い評価を得た円熟期の傑作、と振り返りたくなると思います。(幸運なことに代表作品のいくつかはDVD化もされ、amazonPrime等でも試聴できるようです。)

映画に挿入された数々の東陽一作品のカットも、鮮烈な映像ばかり。頭にというか細胞にというか皮膚にというか、初見の時から刺さっていた名カットが目白押し。劇場には様々な世代が来ていました。小玉監督、東監督の次のテーマ、次回作品もとても気になります。二人の共通点は、音楽の趣味が良いこと、そしてその使い方がずば抜けて上手いこと。本作でも、素晴らしい演奏に触れることができます。

僕は映画を観ながら、そこに在るはずなのだけれど見えなかったもの、見えていなかったもの、そんなものがスーッと見えてくるような感覚になりました。でも、最後に得た読後感は、その見えていなかったようなものというのは、見えていなくたっていいじゃないか、或いは分からなくたっていいじゃないか、という清々しいような爽快な感覚でした。劇場に足を運んで良かった、と思える作品でした。

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だい茶
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