「37セカンズ」母娘を演じた佳山明&神野三鈴が初日迎え涙

2020年2月7日 20:25

第69回ベルリン国際映画祭でダブル受賞を果たした「37セカンズ」
第69回ベルリン国際映画祭でダブル受賞を果たした「37セカンズ」

[映画.com ニュース] 第69回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門で観客賞と国際アートシアター連盟(CICAE)賞をダブル受賞した「37セカンズ」が2月7日、全国44館で公開された。東京・新宿ピカデリーで行われた初日舞台挨拶に、本作で演技初挑戦となった主演の佳山明をはじめ、共演した神野三鈴大東駿介渡辺真起子板谷由夏芋生悠、メガホンをとったHIKARI監督が登壇した。

出生時に呼吸が37秒間止まっていたために脳性麻痺となった主人公・貴田夢馬(ユマ/佳山)は、異常なほどに過保護な母親(神野)のもとで、漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描き続けていた。自立のためアダルト漫画の執筆を望むユマだったが、リアルな性体験がないと良い漫画は描けないと言われてしまう。障がい者専門の娼婦である友人の舞(渡辺)は、ユマを外の世界へと連れ出すが、その事実がユマの母親を激怒させる。

脳性麻痺により車椅子生活を送る佳山は、自身とも重なる部分のあるヒロイン役で、ヌードやベッドシーンなどにも挑戦する体当たりの演技を見せた。初日を迎え涙がこみ上げたようで、佳山は「素敵な皆さんにたくさん支えて頂いて、応援して頂いて、この作品があります。感無量なんですが、まだ(観客の皆さんには)見て頂いていないのに(泣いてしまって)すみません。皆さんそれぞれ感じるところがあると思うんですが、ポジティブなエネルギーを受け取って頂けたら嬉しいな」と、渾身のメッセージを紡いだ。

佳山明の涙をぬぐおうとする神野三鈴
佳山明の涙をぬぐおうとする神野三鈴

その姿にHIKARI監督をはじめ他の登壇陣も涙を流す。母親を演じた神野は、佳山の涙をぬぐいながら「脚本をもらった時、監督の熱意を感じた時に、私が個人的に大好きな役者ばかりが集まりました。この人たちと一緒にスクリーンで、作品の細胞のひとつとして生きられる幸せを感じている中に、明ちゃんが勇気を出して飛びこんでくれて。明ちゃんの勇気で始まった映画です。その冒険旅行を、皆で見て頂けたらと思います」と願いをこめた。

18歳から渡米して映画を学び、ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督の長編デビュー作。大東はHIKARI監督について、「愛情をもって現場に立ってらっしゃる。厳しいところ、粘り強いところもあるけど、作品への思いが明確で一切迷わない。僕にダメ出しをしてくれる時も、作品の撮影中だけということではなく、僕のこれから見て接してくれるので、愛情深い人だなと思いました」と印象を明かした。

登壇陣の涙から作品にかける覚悟が観客に伝わり、会場はあたたかな空気に包まれていた。最後にHIKARI監督は、「ここまで来るのに本当に長い道のりで、脚本ができてから3、4年経って迎えた今日なんですが、この作品と、大好きなキャストの皆と、こうやって上映できることがすごく嬉しくて……。この映画は本当にいろんな思いと、『この作品を世に出したい』と思っている方の愛の賜物だと思うんですね。今世界でいろんなことが起こっている中で、私を信じて映画を作らせて頂いていること、すごく幸せだと思っています」と、万感の思いをこめ締めくくった。

(映画.com速報)

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