町山智浩氏、「彼らは生きていた」をベースに第1次世界大戦を深掘り
2020年2月6日 13:00

[映画.com ニュース] 「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズなどのピーター・ジャクソン監督が手掛けたドキュメンタリー映画「彼らは生きていた」のトークイベントが2月5日、公開中の東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで行われ、映画評論家の町山智浩氏が出演した。
英国の帝国戦争博物館に所蔵されていた第1次世界大戦の西部戦線の映像を、デジタル修復。英BBCが所有していた約200人の退役軍人のインタビュー音声と組み合わせてカラー、3D化した。実に4年の歳月をかけ、西部戦線の真実を浮き彫りにした。
町山氏は、「兵士のインタビューでは概要をつかめない。何でこんなに悲惨な事態になったのか? 一番悪いのはノーベル。彼が1880年代に発明した無縁火薬で機関銃などの連射ができるようになり、決定的に世界の戦場を変えたんです」と持論を展開。その典型例として、日露戦争の二百三高地を挙げた。
その後も、毒ガスやニトログリセリンなどが生み出され「近代的な軍事テクノロジーが流れ込んできたことで、第1次世界大戦が悲惨を極めることになった」と説明。毒ガスの中で、ガスマスクのゴムを溶かすために開発されたマスタードガスのエピソードは、「ワンダーウーマン」(2017)でも使われていると解説した。
また、「くまのプーさん」の作者A・A・ミルンや文豪ヘミングウェーらが戦地に赴き、「兵士は今で言うPTSD(心的外傷ストレス障害)になった人がたくさんいる。ミルンも森を買って心を癒そうとしたところからプーさんは生まれている」と説明。さらに、J・R・R・トールキンもその1人で「『指輪物語』も延々戦争をしているでしょ。あれは本人も言っているし、自分の体験なんです」と、祖父が第1次世界大戦に参戦したジャクソン監督が「ロード・オブ・ザ・リング」を手掛けた因果につなげた。
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