ブラピもホアキンも! 英国アカデミー賞で人種差別批判&自虐スピーチが続出
2020年2月3日 22:00

[映画.com ニュース] 第73回英国アカデミー(BAFTA)賞授賞式が2月2日(現地時間)、英ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催され、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で助演男優賞を受賞したブラッド・ピット(欠席のためマーゴット・ロビーがスピーチを代読)や、「ジョジョ・ラビット」で脚色賞を獲得したタイカ・ワイティティ、「ジョーカー」で主演男優賞に輝いたホアキン・フェニックスらが、政治色の強いスピーチを行った。

ピットの代わりにステージに上がったロビーは、少々気まずそうに代読をスタート。それもそのはず、ピットは「ハイ、イギリス。最近シングルになったんだよね? 独身クラブへようこそ! あなた方の離別が上手くいくことを願っているよ」と、1月31日に欧州連合(EU)から離脱したイギリスと自らの離婚歴をジョークにし、会場の笑いを誘った。そしてひとしきり関係者への感謝を述べたあと、最後にロビーは「えー……、彼はこのトロフィーにハリーと名付けると言っています。アメリカに連れて行くのが楽しみだから、だそうです」と、最近英王室を離れ北米への移住を表明したハリーことヘンリー王子を引き合いに出した。会場にいたウィリアム王子とキャサリン妃は苦々しい表情を浮かべながらも笑っていたが、ロビーはすぐさま「私じゃなくて彼(ピット)の言葉ですから!」と言い残し、足早にステージを降りた。

また、過去にイギリスに植民地支配され、現在は英連邦王国の一国であるニュージーランド出身のワイティティは、「ありがとうございます。クールだね。ところで、私は植民地から来ました」とパンチの利いた挨拶でスピーチを開始。金でできたトロフィーを「あなた方のゴールドを少しだけでも家に、本来あるべき場所に持ち帰るのは素敵なことだね」と、1860年代に金がニュージーランドから大量に搾取された歴史を皮肉った。

フェニックスは、受賞の喜びと感謝を述べつつも「私たちは非白人の方々に、『あなた方は歓迎されていない』というはっきりとしたメッセージを送っている気がします。私たちの業界に多大な貢献をしてきた方々にです」とハリウッドの人種差別問題に言及。「誰も特別扱いを望んでいません。ただ、自らの仕事が認められ、感謝され、尊敬されたいと思っているのです。これは独善的な非難ではありません。なぜなら、私自身がその問題の一部であることを恥じているからです」「人間を抑圧する人種差別的なシステムを作り出し、持続させ、その恩恵にあずかった者には、そのシステムを壊す義務があるのです。これは私たちにかかっています」と力強く訴え、喝さいを浴びた。

今回のBAFTAのテーマはサステナビリティ(持続可能性)ということもあり、キャサリン妃をはじめとする多くのセレブが“着回し”ドレスで登場。監督賞のプレゼンターを務めたレベル・ウィルソンは、「きょうのテーマはサステナビリティだと聞いたので、2つの使い古しのドレスを縫い合わせてきました。赤い方はミス・オーストラリアになり損ねたときのもの、黒い方は『キャッツ』のお葬式で着たものです」と、現在批評家や一般客から大批判を受けている出演作をネタに。「『キャッツ』……、不可解なことにどの賞にもノミネートされませんでした。みなさんがこの論争をされたかわかりませんが、明らかにネコ科からのノミネートが欠けています。ひどいですよね」と続け、ダイバーシティの欠如問題を絡めた自虐スピーチで会場の大爆笑をさらっていた。
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