中島貞夫監督、幻の深作欣二版「浪人街」騒動の熱気を回顧
2019年10月19日 15:50

[映画.com ニュース] 京都国際映画祭2019で10月19日、幻に終わった深作欣二版「浪人街」をめぐる貴重な記録を収めたドキュメンタリー「浪人街・予告編 1976年夏 東映京都撮影所」が上映された。映画ファンを巻き込んだリメイク運動から40年超、京都シネマのスクリーンに往年の東映京都撮影所の熱気が満ちた。
「浪人街」は、日本映画の父・牧野省三の息子、マキノ雅弘監督が1928年、盟友の脚本家・山上伊太郎とともに発表した伝説のサイレント時代劇。集団殺陣などの新たな手法を盛り込み、同年のキネマ旬報ベスト1に選ばれた。
76年、同作を深作監督が再映画化すべきという期待がキネ旬誌上で高まり、東映京都撮影所の関係者にインタビューしたのが「浪人街・予告編」。結果的にリメイクは頓挫したが、今は亡き深作監督をはじめ、ありし日のマキノ監督、プロデューサーとして動いた中島貞夫監督、出演予定だった千葉真一、リメイク運動の中心人物・竹中労らの肉声は意義深い。高岩淡・元東映会長の撮影所所長時代の姿もある。
上映後に、85歳にして京都で映画づくりを続ける中島監督、深作イズムを受け継ぐ息子・深作健太監督、当時大学生ながら「浪人街・予告編」を撮った伊藤信幸氏、そして京都国際映画祭の奥山和由・総合プロデューサーがトークを繰り広げた。
中島監督は「もともとはオヤジ(マキノ監督)に最後にもう1本撮ってもらおうっていう話だった」と語り始め、深作版「浪人街」が実現しなかった最大の理由として「山上さんのシナリオを少しでも上回ろうと笠原和夫が必死になったが、どうしても書けなかった」と明かした。「きれいごとじゃない。最後は修羅場だった」とポロリ。
奥山氏は「(劇中で)元気な深作さんの声を聞いて、40年前に戻ったみたい」と大喜び。また「中島監督、深作健太さんもいるし、もう一度『浪人街』出来ませんか?」とオファー。健太監督は「当時の父は今の僕と同い年ぐらいなのに…」と若き父の姿に感服しきりで、「今は(舞台演出中心で)家出させていただいているけれど、いつか映画の世界に帰って来られたら」と語っていた。
京都国際映画祭2019は、10月20日まで京都市内各所で開催。
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