アンジェリーナ・ジョリーが語る家族観「この世界でお互いを見つけられれば……」
2019年10月19日 12:00
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アンジェリーナ・ジョリーがディズニー・アニメーションの名作「眠れる森の美女」の悪役、マレフィセント役で主演する「マレフィセント」の続編「マレフィセント2」が公開中だ。ジョリーが、マレフィセントの従者ディアヴァル役を演じるサム・ライリーとともに来日し、今作に込めた思いを語った。(取材・文・写真/編集部)
――悪役であるマレフィセントが世界中から愛されている理由は何だと思いますか?
ジョリー 彼女はときに攻撃的にもなれてしまうので、それが悪い評判を呼んで“悪”として見られているのだと思います。でも、彼女が攻撃的になる理由や、闘わなければならない理由は、実はヴィラン(悪役)的なことではないのです。
ライリー 私たちはみな魔女的な側面を持っていて、マレフィセントに共感できるのだと思います。でも、最終的にはアンジェリーナと、彼女の演技の抗し難い魅力が多くの人を引き付けたのでしょう。
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――今作を通じて伝えたいメッセージを教えてください。
ジョリー 家族というものは血縁によって築かれるものではないということです。この世界でお互いを見つけられれば、家族になれると信じています。私自身の家族もその一例ですから。もうひとつ、今作はお互いを尊重して受け入れる、ダイバーシティ(多様性)のある世界を描いています。世の中には人と人を分断させることばかりに焦点を当てる方々がいますが、ダイバーシティのある世界には、他者を受け入れる強さがあると信じています。
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――今作はおふたりの掛け合いの面白さや、メッセージ性の強い題材を扱いながらもユーモアを交えて描いていたことが印象的でした。
ジョリー マレフィセントの強い個性のひとつに、“遊び心”があります。それは、彼女と相対した人に、彼女を負かすのは難しいと感じさせるような強い心とも言えます。ある作家が、『愛されることより重要なのは、理解されることだ』と言っていて、その通りだと思いました。おかしく聞こえるかもしれませんか、マレフィセントとディアヴァルは完璧なペアだと思うんです。お互いを深く理解して丸ごと受け入れているからこそ、遊び心を持って背中を押せる。心の底に愛と理解があるから、何でも言い合えるのです。
ライリー 前作の撮影中に、マレフィセントとディアヴァルには、脚本に書かれている以上のものがあると気が付いたんです。熟年夫婦のように口喧嘩したりして、長年連れ添ってきたような関係です。今作に戻ってくるのがすごく楽しみだった理由が2つあって、1つ目は、僕はこれまでの映画で死んでしまう役が多かったので、同じ役を2回演じるのが初めてだったこと(笑)。2つ目は、以前演じたキャラクターを、特にふたりのあいだのユーモアを深めて発展させられることです。例えば、ディアヴァルがマレフィセントにほほ笑み方をコーチする場面はすごく楽しかったし、チャーミングでしたね。
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――今シリーズでは、マレフィセントが愛情から涙を流すなどディズニーの悪役としては革命的な表現を用いています。どのようにアプローチされたのでしょうか?
ジョリー マレフィセントはとても感情豊かなキャラクターだと思っています。地球とのつながりという意味でも“母なる自然”を思わせるキャラクターでもあり、自然に忠実なところがあります。“母なる自然”は、美しく花を咲かせることもあれば、ハリケーンを巻き起こすこともある。彼女は感情を上手に押し込めておけず、それが発露すると、とても過激な形で表現してしまうこともあります。前作で描かれた通り、生まれたときの彼女は無垢な存在でしたが、翼をもがれたことで傷ついてしまいました。それがトラウマとなったのです。人は深く傷つくと本来の穏やかさを失ってしまい、それを取り戻すのは大変なことです。そのようなことを意識しました。
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――ディアヴァルは悪役の従者としては異色の“いい奴”ですが、どのように捉えていますか?
ライリー ディアヴァルは、最初からマレフィセントのなかにある傷に気が付いていました。誰よりも先にね。それと同時に、彼女のなかにあるあたたかさや、一見怖く見える外見とは裏腹なやわらかさに気が付いたのもディアヴァルだと思います。
私は、(今作のターゲット層でもある)子どもというのは実は洗練されていると考えています。ファミリー向けの作品のなかではアンチヒーローはあまり定着していませんでしたが、映画界で長く受け入れられてきた存在でもあります。実際の人生では、善悪は別々に存在しておらず、グレーなエリアがありますよね。子どもはそういうことを完全に理解する能力があると思っています。
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――続編映画には“縛り”が発生することもありますが、自由さを失わずに続編を製作する秘訣は何でしょうか?
ジョリー この作品のメッセージのひとつは、自分が持っている本質を大いに包容し受け入れるべきということです。それが自由さだと思いますし、その重要さを核として描いたつもりです。私たちは続編の製作に飛びつかずに、語る価値がある物語ができるまで待ちました。そのひとつはオーロラ(エル・ファニング)の成長です。前作でマレフィセントとオーロラにあったのは大人と子どもの関係性でしたが、今回は若い女性となったオーロラとの関係性が描かれています。その年齢につきものの結婚や、その先の人生が関わってくる物語です。ということは、もしかしたら3作目は母としてのオーロラを描く物語になるかもしれませんね。そのような人生のサイクルを描くシリーズであるという点も気に入っています。
確かに続編には呪縛があるかもしれません。せっかく世界はこんなに広いのに、まだ(撮影地の)イギリスを出ていませんから。でもマレフィセントは飛べますから(笑)。例えば、日本にマレフィセントがやってくることもあるかもしれませんね。グローバルで楽しいと思います。
ライリー それはいいアイデアだね!
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「マレフィセント2」
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