米アマゾン、2005年パリ郊外暴動事件題材の「レ・ミゼラブル」を獲得
2019年6月25日 19:00

(C)RECTANGLE PRODUCTIONS
[映画.com ニュース]現在開催中の第72回カンヌ国際映画祭コンペンティション部門に正式出品された話題作「レ・ミゼラブル(原題)」の全米配給権を、米アマゾン・スタジオが獲得したことがわかった。米バラエティが報じている。
ビクトル・ユーゴーの傑作小説「レ・ミゼラブル」ならびに同名ミュージカルの舞台として一躍有名になったパリ郊外の小さな町モンフェルメイユに生まれ育ち、これまでも低所得者層の地域である地元住民が日々直面する過酷な現実を、WEBシリーズや短編ドキュメンタリーを通して世に伝えてきたリ監督。
長編劇映画デビュー作ながら、ケン・ローチやペドロ・アルモドバル、テレンス・マリックやダルデンヌ兄弟ら常連に混じってカンヌ映画祭のコンペ部門に選出され、注目を集めていた本作は、2005年10月、貧しい移民が多いパリ北東のセーヌ=サン=ドニ県クリシー=スボワ地区で、北アフリカ出身の若者3人が警察に追われ、逃げ込んだ変電所で感電死したことをきっかけに発生した若者たちによる暴動、通称「2005年パリ郊外暴動事件」を題材にしたクライムアクション。地元住民と警察の間で緊張が高まるなか、地方警察からモンフェルメイユのパトロール部隊へと転任してきた主人公ステファン(ダミアン・ボナール)の葛藤を通して、3週間にわたりフランス全土を揺るがした暴動の背景と真実をリアルに描き出す。
カンヌ映画祭でプレミア上映され、批評家から大絶賛を浴びたことを受け、小規模な仏語映画であるにもかかわらず買い手が殺到。バラエティが情報筋から入手した話によれば、アマゾンはNetflixと競り合った末、推定1500万ドル(約16億円)の高値で配給権を手にしたという。日本では、映画エンタテインメントサービス「BS10 スターチャンネル」の映画レーベル「STAR CHANNEL MOVIES」の1本として、2020年の公開を予定している。
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