クロード・ルルーシュ監督が来日、岸惠子、53年ぶりの新作「男と女」エピローグに感激
2019年6月22日 07:30
[映画.com ニュース]横浜市で開催中の「フランス映画祭2019 横浜」で6月21日、「男と女」で知られるクロード・ルルーシュ監督の新作「男と女III 人生最良の日々(仮)」が上映され、ルルーシュ監督と女優の岸惠子がトークを行った。
万雷の拍手で迎えられたルルーシュ監督は「ここに来て、53歳若返った気がします。66年に『男と女』を持って日本に来て、エピローグを持って再訪するとは思ってもいませんでした」と挨拶し、「同じ監督が同じ俳優を使って同じストーリーを撮ること。これは映画史上ないことです」とフランス恋愛映画の金字塔として知られる、自身の代表作のエピローグとなる新作を紹介した。
また、この日は慶応義塾大学のビッグバンドサークル「ライト・ミュージック・ソサイェティ」が、フランシス・レイの楽曲を演奏した。ルルーシュ監督は「フランシス・レイは、私の35本の映画の音楽を手がけ、彼がこの世を去る前に、この新作のための(音楽の)時間を作ってくれました。また、『男と女』の歌詞を作ったピエール・バルーは、日本人の奥さんをもらって、日本の素晴らしさを私に伝え続けました」とこの世を去ったふたりの音楽家へオマージュを捧げた。
ルルーシュ監督とは以前から親交があるという岸。日本での再会を喜び、一足早く鑑賞した新作について「ひどく感動しました。ジャン=ルイ・トランティニャンは53年前から人気でしたが、最初のクローズアップの顔が素晴らしい」と感激の面持ちで感想を語る。「ふたりの俳優の老い方が素敵。(日本は)年寄りが溢れているので、このように大人が見るに耐える映画を作ってほしい」と大人の恋愛映画への期待を寄せた。
今作が49本目、現在50作目を手がけているというルルーシュ監督。「私は映画と人生に恋をし、80年間生き続けてきました。映画を作るときに努力をしたと思ったことがありません。いつもバケーションのようで、私は生涯ずっとバケーションを過ごしてきました。これからバケーション中に死ぬでしょう。退屈が私を死なせてしまいます。愛は永遠です」と映画への愛と人生を振り返る。
現在81歳、主演のトランティニャンは88歳。「私は戦争を経験し、強制収容所の存在も知っています。もちろん、改善すべきことはたくさんありますが、過去の欠点を知っているからこそ、現在が幸せだと感じるのです。晩年になってようやく何について語っているかを理解して発言しています」と年齢を重ねることについて、現在の心境を明かした。
「フランス映画祭 2019 横浜」(http://unifrance.jp/festival/2019/)は、イオンシネマみなとみらいほかで、23日まで開催。チケットは発売中。
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