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広告会社勤務の監督2人が明かすこだわり 「ウィーアーリトルゾンビーズ」vs「僕はイエス様が嫌い」

2019年6月21日 14:00

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広告会社に勤務しながら映画製作を 続けている長久允監督&奥山大史監督
広告会社に勤務しながら映画製作を 続けている長久允監督&奥山大史監督

[映画.com ニュース] 新鋭・長久允監督の長編デビュー作「ウィーアーリトルゾンビーズ」(公開中)のトークショーが6月20日、東京・渋谷シネクイントで行われ、長久監督と「僕はイエス様が嫌い」を手掛けた奥山大史監督が登壇した。

サンダンス映画祭でも注目を浴びた「ウィーアーリトルゾンビーズ」は、両親を亡くし葬式で出会った4人の子どもたちが、音楽や冒険を通して変化していくさまを描く。海外映画祭での観客の反応について、長久監督は「アメリカのサンダンス映画祭だとニュージャンルコメディみたいな捉え方でびっくりしました。(本編の開始直後に登場する)スパゲッティで笑うんですよ、『(始まって)2秒じゃん』みたいな。コミカルとトラジェディック(悲惨)が極端に混ざっていて新しいという評価でした」と述懐。一方で「ドイツのベルリンは哲学的に分析する題材として楽しんでもらったみたいです」と、国によって全く違う感想が寄せられたことを明かした。

同じ中学校、高校、大学に通い、現在は広告会社に勤務しながら映画製作を続けているという多くの共通点がある2人。長久監督は自身の高校時代を「僕は、高校時代はずっとブラスバンド部でした。スクールカーストでは下の方で、そこから出よう出ようとしていましたね。(カーストの)三角形の外にいるにはどうしたらいいかと考えていました」と振り返る。奥山監督が「会社でも(その状況は)変わらなかったりしますか?」と問いかけると、「そうですね。会社では何かをプロデュースする人は多いんですけど、作り手は少ないので、肩身狭いですね(笑)」と暴露し、笑いを誘った。

本作を鑑賞した奥山監督は「僕は広告会社に入る前に書きたかったコピーが、なかなか実際は通らないんだなと思っていました。『ウィーアーリトルゾンビーズ』は、そういう書きたかった言葉たちがひたすら並べられているような映画。言いたいことを言いたいように言う、ということの連続だなと。説明でもなく、ストーリーとも関係なく『ここではこれを言いたい』と(言葉が)発せられるような感じが、まっすぐでいいなと思いましたね」と言葉を紡ぐ。長久監督は「広告は、僕ではなく商品が言いたいことを伝えるものなので……自分という存在を消し続ける十何年間を過ごしました。だからこそ、自分が伝えたいことに100%集中しました」と力強く語った。

さらに話題は映画製作に及び、奥山監督の「今回もビデオコンテを作ったんですか? Vコン作る人って、広告業界に多いですよね」という質問に、長久監督は「僕は作ってます! 楽譜で言うと先にテンポやメロディを設定した先にある、映画的な魔法のような瞬間が狙えればと思っています」と答える。「意味のないシーンが嫌いなので、カメラマンさんにも画よりも意味を汲み取ってもらった」という長久監督は、窓の外にベタ(熱帯魚の1種)が浮遊するシーンについて、「ベタは1匹でしか過ごせなくて、2匹にすると殺すまで戦い合う闘魚です。(主人公)ヒカリの孤独の象徴で、それが他の3人にも侵食していく感じ。あのシーンには水中のような音も入れて、圧迫感を演出しています」と解説した。

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