水谷豊、端っこでの舞台挨拶「圧迫感ない」一転「プレッシャーは感じるもの」に苦笑
2019年4月16日 22:10

[映画.com ニュース]俳優の水谷豊の監督第2作で脚本、出演も兼ねた映画「轢き逃げ 最高の最悪な日」の完成披露試写会が4月16日、都内のホールで行われた。
オーディションで主演に抜てきされた中山麻聖と石田法嗣、小林涼子、毎熊克哉、檀ふみ、岸部一徳の主要キャストが舞台挨拶に登壇。最後にステージに上がり右端に立った水谷は、「出演する立場では真ん中に立つことが多いのですが、この位置は圧迫感がなくていい」とおどけた。
「60代で3本映画を撮る」と心に決めていた水谷が、17年の初監督作「TAP THE LAST SHOW」を終えてすぐ、プロデューサーから「水谷さんのサスペンスが見たい」と請われ2日後に「轢き逃げ」のアイデアが浮かんだという。脚本は初挑戦だったが、「(アイデアを)文字にした方がいいと思って書き始めたら、誰も止めてくれなくて、どんどん脚本になっていった」と謙そんした。
結婚式直前に轢き逃げ事件を起こした青年とその親友、被害者の遺族、捜査を担当する刑事の思いが錯そうし、人間の業に迫る深遠なドラマ。中山は、「監督が目の前で僕の役を演じてくれた後にリハーサルだった。監督の演技を目の当たりにしてうれしかった」と感激の面持ち。石田も、「麻聖くんの言う通り。すごく助かって、僕は甘えた部分もあった」と振り返った。
水谷とは盟友の岸部は、脚本を書く以前からベテラン刑事役を想定されていたそうだが「どの歳になっても常に挑戦している人。60歳を過ぎて監督なんて、僕なら絶対にやらない。頭が下がります」と称賛。水谷が熱望し出演した檀も、「役者としても尊敬していますが、監督としても素晴らしい。決断が速くてムダなカットを撮らない。世の中の監督は見習ってほしい」と褒めちぎった。
さすがの水谷も照れることしきりで、「端っこにいても、プレッシャーは感じるものですね」と苦笑い。それでも、「子供の頃からたくさん映画を見て心を動かされ、感動して育ってきた。映画音楽も好きで、僕の半分は映画と映画音楽でできている。それが出る側になって、今度は作る側になった。皆さんが、僕が心動かされたのと同じ思いになってくれることを願います」と真摯に語った。
「轢き逃げ 最高の最悪な日」は、5月10日から全国で公開される。
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